ダリウス・ミヨーの「2つのヴァイオリンとピアノのためのソナタ」の第3楽章です。
この作品には様々な作曲家の作風が混在していますが、この多様性は、彼がパリ音楽院で師事したポール・デュカスの影響が流れとしてあるかもしれません。デュカスは、表面的なものだけでなく、深みのある音を考える作曲家であり、ミヨーもその深い思考を教え子に引き継がせた可能性があります。
第二次世界大戦期以降は、カリフォルニアのミルズカレッジなどで教鞭を取るなど、アメリカで活躍。彼の著名な教え子としてデイヴ・ブルーベック、バート・バカラック、フィリップ・グラスといった幅広い分野の音楽家がいます。
今回の演奏に使用されたストラディヴァリウスの貴重な名器としての来歴や、それを貸与する日本音楽財団の活動についても触れられています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ダリウス・ミヨー作曲 『2つのヴァイオリンのためのソナタ』第3楽章
樫本大進 /ヴァイオリン(Strad. Violin1722"ジュピター"
佐藤俊介 /ヴァイオリン(Strad. Violin1725"ウィルヘルミ")
市野あゆみ/ピアノ
(2004年4月4日Universität Mozarteum Salzburg Großer Saal にて演奏・収録)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
ダリウス・ミヨーの「二つのヴァイオリンとピアノのためのソナタ」の第2楽章です。
バロック時代の成熟した、トリオ・ソナタという、声部も形式も三部で成り立つ、音楽的にも基本となる形式に、多彩な様式の音楽を巧みに紡ぎ込む手法が際立つ技法は秀逸です。
ミヨーの作風を語る上で「折衷主義」という言葉が使われることがありますが、西洋におけるこの概念には二つの考え方があります。一つは、複数のものから良いところを「抽出」して組み合わせるエクレクティシズム、もう一つは、複数のものを混合するシンクレティズムです。
ミヨーは、後者の「混合」に近いと考えられます。様々な作曲家の多様な要素を合わせることで、まるで色を混ぜて全く別の色を生み出すように、独自の音楽を作り上げました。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ダリウス・ミヨー作曲 『2つのヴァイオリンのためのソナタ』第2楽章
樫本大進 /ヴァイオリン(Strad. Violin1722"ジュピター"
佐藤俊介 /ヴァイオリン(Strad. Violin1725"ウィルヘルミ")
市野あゆみ/ピアノ
(2004年4月4日Universität Mozarteum Salzburg Großer Saal にて演奏・収録)
【協力】日本音楽財団
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
今週から3回に渡り、ダリウス・ミヨーの『2つのヴァイオリンのためのソナタ』をお送りします。
商取引で財を成した非常に裕福な家庭で、音楽に憧憬が深い両親に育てられ、10歳の時にはドビュッシーのオペラ『ペレアスとメリザンド』の楽譜を見ていたほど音楽的にも早熟でした。
パリ・コンセルヴァトワールで学びながら、ほかの作曲家から多くの影響を受けたかたわら、彼らの作風を自由に巧みに自らの作品に取り込みました。
それがミヨーの曲の中で独自の多様性となって現れました。また、ドビュッシーやサティのように、様式から逸脱することなく、形式感を保っていることも特徴のひとつです。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ダリウス・ミヨー作曲 『2つのヴァイオリンのためのソナタ』
樫本大進 /ヴァイオリン(Strad. Violin1722"ジュピター"
佐藤俊介 /ヴァイオリン(Strad. Violin1725"ウィルヘルミ")
市野あゆみ/ピアノ
(2004年4月4日Universität Mozarteum Salzburg Großer Saal にて演奏・収録)
【協力】日本音楽財団
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
今週も、エルネスト・ショーソンの『詩曲』です。
ブルジョワ出身のショーソンは、よくヨーロッパ各国を旅していたようです。その中で偶然バイロイトでワーグナーを聞く機会があり、その後セザール・フランクと共に彼の地をしばしば訪れることとなります。もともとオーケストラ版で書かれたこの『詩曲』も内性が厚く、ワーグナーの影響が色濃く出ています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】アーネスト・ショーソン作曲 『詩曲』(ピアノ版)
ヴィヴィアン・ハーグナー /ヴァイオリン(Strad. Violin 1717 " サセルノ")(2001年4月18日ストックホルムのThe Royal Churchにて演奏・収録)
【協力】日本音楽財団
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
今週は、エルネスト・ショーソンの『詩曲』を聞きます。
和音の連結の仕方はセザール・フランクに近いものを感じさせ、終わるようで終わらない独特な旋律に思わず引き込まれるようです。あたかもモノクロームの濃淡であらわされた世界が果てしなく繰り広げられる絵巻物を彷彿とさせます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】アーネスト・ショーソン作曲 『詩曲』(ピアノ版)
ヴィヴィアン・ハーグナー /ヴァイオリン(Strad. Violin 1717 " サセルノ")(2001年4月18日ストックホルムのThe Royal Churchにて演奏・収録)
【協力】日本音楽財団
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
モーリス・ラヴェル作曲の『ツィガーヌ』の2回目です。
この超絶技巧の曲の中でも特に難しいのが冒頭のカデンツァ(独奏)です。このカデンツァの最後の方にピアノが入りますが、オーケストラ版でこの部分を演奏するのがハープです。このハープもまた難しいテクニックが要求されます。
フランスでの初演は、1924年10月15日パリのサル・ガヴォーでしたが、ここでの演奏では、特殊な仕掛けを持つルテアルというピアノが使用されました。これは、ハンマーに仕掛けを施し、ツィンバロン(ツィンバロム)に少し近い音が出るようにしたものです。
番組後半では、オーケストラリハーサルに於いて、練習番号や音符が、国によって数字の読み方などが違って、指揮者にとってこの点が意外と苦労する、といったエピソードが語られます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲 『ツィガーヌ』(ピアノ版)
Arabella Steinbacher /ヴァイオリン(Strad. Violin 1736 " Muntz")、Robert Kulek/ピアノ(2003年5月29日浜離宮朝日ホールにて演奏・収録)
【協力】日本音楽財団
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
今週と来週の2回に渡り、モーリス・ラヴェル作曲の『ツィガーヌ』をお送りします。
フランス・スペイン系ロマ音楽の「ジプシー風」という異国情緒や自由な表現様式にインスピレーションを得て、さらにパリのサロンで出会ったハンガリー系のヴァイオリニスト、イェリー・ダラーニの演奏に触発されラヴェルが作曲に取り掛かりました。
この短い曲の中に、指板を押さえている以外の指でピチカートを奏でたり、自然倍音でなく指で抑えながらハーモニクスを演奏したりと、超絶技巧を求められるさまざまな奏法が繰り広げられる作品となっています。
笹川日仏財団理事就任前からこの番組のリスナーであった木森隆理事とヴァイオリニストの奥様がこのエピソードの収録に立ち会ってくださいました。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲 『ツィガーヌ』(ピアノ版)
Arabella Steinbacher /ヴァイオリン(Strad. Violin 1736 " Muntz")、Robert Kulek/ピアノ(2003年5月29日浜離宮朝日ホールにて演奏・収録)
【協力】日本音楽財団
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
今週はクロード・ドビュッシー作曲の『ベルガマスク組曲』の最終曲、第4曲「パスピエ」をお届けします。
本来舞曲である「パスピエ」はここでは軽やかな曲想で書かれていて、なぜこの曲に舞曲の名前をつけたのかは不明です。
『ベルガマスク組曲』に収められている4曲はいずれも異なった性格を持っており、唯一共通しているのはすべて教会旋法で書かれている、ということくらいでしょうか。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲 ベルガマスク組曲(ピアノ版)第4曲 パスピエ
François-Joël Thiollier /演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
今週もクロード・ドビュッシー作曲の『ベルガマスク組曲』から第3曲「月の光」をお届けします。
現存はしていないものの、ジャン=アントワーヌ・ワトーの絵画からインスピレーションを得て作曲したと言われています。ちなみに同名の歌曲『月の光』はベルレーヌの詩に曲をつけたものです。
この作品は、ディズニー映画『ファンタジア』で取り上げられたり、フェデリコ・フェリーニ『そして船は行く (E la nave va)』や黒沢清『トウキョウソナタ』でも使われています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲 ベルガマスク組曲(ピアノ版)第3曲 月の光
François-Joël Thiollier /演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
先週に続き、クロード・ドビュッシー作曲の『ベルガマスク組曲』から第2曲」「メヌエット」をお届けします。
ワルツもメヌエットも同じ三拍子。でも、この作品の場合はヘミオレが駆使されていて、三拍子らしからぬ三拍子となっていて、ドビュッシー独自のサウンドが奏でられます。
「ベルガマスク(Bergamasque)」とは、イタリア北部の都市「ベルガモ(Bergamo)」にちなみ、「ベルガモの」または「ベルガモ風の」という意味で、16~17世紀頃の北イタリアで生まれた素朴な「ベルガモ舞曲」を指します。
ドビュッシーは、詩人ヴェルレーヌの詩集『艶なる宴』にある歌詞「現われたる艶やかな仮面喜劇者たちとベルガモの踊り子たちは(Que vont charmant masques et bergamasques)」からインスピレーションを受けたとされています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲 ベルガマスク組曲(ピアノ版)第2曲 メヌエット
François-Joël Thiollier /演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
今週よりクロード・ドビュッシー作曲の『ベルガマスク組曲』をお届けします。
1890年に作曲を開始してから15年を経てようやく完成をみたこの作品は、4曲から構成されていて、それぞれが独立していて異なる性格を持っています。
ドビュッシーにとって、その前年の1889年は、パリ万博で初めてガムランを聴いたり、バイロイトにワーグナー詣に行ったり、あるいはフォン・メック夫人と一緒にロシアまで旅行したりと、音楽的な知識を深め、また様々な見聞を広げることとなった年で、作風に豊かさをもたらすきっかけになったに違いありません。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲 ベルガマスク組曲(ピアノ版)第1曲 前奏曲
François-Joël Thiollier /演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
ガブリエル・フォーレ作曲の組曲『ドリー』の最終回は、第6曲の「スペインの踊り」をお届けします。
当時シャブリエが作曲した「スペイン」が大成功し、その作品へのオマージュを捧げるためにフォーレが書いたのがこの曲です。
ここでもやはり、ギリシャ語で「1.5」や「二分の三」を意味するヘミオレという技法を用いて、4分の三拍子と8分の六拍子を組み合わせ、フォーレは躍動感あるサウンドを上手に生み出しています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ガブリエル・フォーレ作曲 ドリー組曲(管弦楽版)第6曲 スペインの踊り
アンリ・ラボー/編曲
アイルランド国立交響楽団/演奏
ジャン=リュック・タンゴー(指揮)/指揮
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
ガブリエル・フォーレ作曲の組曲『ドリー』の2回目は、第5曲の「優しさ」をお届けします。
フォーレはケルン、ミュンヘン、バイロイトとドイツ各地を巡り、ワグナーの音楽を聴き込んできました。そのためでしょうか、少しドイツロマン派の香りが感じられる作品です。
全6曲のうち、この曲だけ子ども向けではない、内声の充実した、重厚ささえ感じられる曲なので、アンリ・ラボーによるオーケストレーションによって、多様な楽器の多様な音色の違いがうまく活かされているのではないでしょうか。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ガブリエル・フォーレ作曲 ドリー組曲(管弦楽版)第5曲 優しさ
アンリ・ラボー/編曲
アイルランド国立交響楽団/演奏
ジャン=リュック・タンゴー(指揮)/指揮
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
今週から3回にわたってガブリエル・フォーレ作曲の組曲『ドリー』をお届けします。
エレーヌという子供のために当初ピアノ組曲として書かれたこの作品は6曲から成り、「ミ・ア・ウ」はその第2曲目。欧米では猫の鳴き声を表す言葉ですが、それとは全く関係ない音楽になっています。
ギリシャ語で「1.5」や「二分の三」を意味するヘミオレという技法が用いられていることで、何気ない四分の三拍子に少し不規則性が感じられます。バロック時代後期、曲の最後に使われるようになった技法で、特にヘンデルが多用していました。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ガブリエル・フォーレ作曲 ドリー組曲(管弦楽版)第2曲 ミ・ア・ウー
アンリ・ラボー/編曲
アイルランド国立交響楽団/演奏
ジャン=リュック・タンゴー(指揮)/指揮
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
ガブリエル・フォーレ作曲『レクイエム』の2回目です。
このフォーレの「レクイエム」は第3稿まであり、第1稿は1887年に書かれ、オーケストラはオルガンを中心とした少し変則的な編成、第2稿は1892年に国民音楽協会で初演された、通常に近い編成のもの。現行版と言われている第3稿は1900年、パリ万博で演奏されて大成功を収め、この作品を世に知らしめる契機となりました。
フォーレの和音の変遷はとても革新的で、この内包的な動きは後のプーランクを予感させるものがあります。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ガブリエル・フォーレ作曲『レクイエム』第5曲 アニュス・デイ
リサ・ベックリー/ソプラノ
ニコラス・ゲッジ /バス・バリトン
オックスフォード・スコラ・カントルム/演奏
カーム・キャリー /オルガン
ジェレミー・サマリー/指揮
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
今回から2回にわたって、ガブリエル・フォーレ作曲の『レクイエム』をお届けします。
「レクイエム」は、もともとカトリックの死者のためのミサのこのことで、ラテン語で「永遠の安息を(Requiem aeternam)」という言葉に由来しています。
音楽としての「レクイエム」は中世から現代に至るまで、多くの作曲家によって様々な様式で書かれてきましたが、特に有名なのが、深い感情表現を特徴とするモーツァルト、大編成のオーケストラによる圧倒的スケールのベルリオーズ、あるいはオペラであるかのような劇的なヴェルディの作品です。
その中でもフォーレの「レクイエム」は、「天国の安らぎ」がテーマとなっていて、この上なく清らかで穏やか。他のレクイエムとは異なった曲想の作品です。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ガブリエル・フォーレ作曲『レクイエム』第4曲 ピエ・イェズ
リサ・ベックリー/ソプラノ
ニコラス・ゲッジ /バス・バリトン
オックスフォード・スコラ・カントルム/演奏
カーム・キャリー /オルガン
ジェレミー・サマリー/指揮
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
前回ピアノ版で聞いていただいたモーリス・ラヴェル作曲『古風なメヌエット』を、今回はオーケストラ版でお届けします。
ピアノ版は1895年に作曲、1898年に初演されましたが、ラヴェルはこれを30年以上も経った1929年にオーケストレーションしました。冒頭での半音(短二度)をぶつける刺激的な部分が管弦楽版ではどのようになったのか、その変化をお楽しみください。
管弦楽版にあってピアノ版にないのは、トランペットとホルンが三連符で奏でるパッセージです。これはバレエ全曲版『マ・メール・ロワ』にも用いられているモチーフ。注意して聞いてみてください。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『古風なメヌエット』(管弦楽版)
レナード・スラットキン/指揮
フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
今回もモーリス・ラヴェルのピアノ曲をご紹介します。
『古風なメヌエット』は、パリ国立高等音楽院在学中の二十歳の時の作品。三部形式の楽曲で、バロックを彷彿とさせる古典的で古風な部分がありながら、冒頭から半音(短二度)をぶつけるといった刺激的な部分もあり、後のラヴェルの作風の萌芽が見られる作品です。
1895年に作曲され、3年後の1898年にピアノメーカーのエラール社のホールで、スペイン人ピアニストのリカルド・ビニェスによって初演されました。あまり知られていない存在ですが、数多くのラヴェルやドビュッシーの作品を初演しています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『古風なメヌエット』
フランソワ・ジョエル・ティオリエ(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
クロード・ドビュッシーに続き、今回はモーリス・ラヴェルのピアノ小品をご紹介します。
『プレリュード』は、パリ国立高等音楽院ピアノ科の卒業試験の初見課題曲のために書かれた作品。のちに楽譜が出版された際、ラヴェルは、この曲を見事に弾いて試験に合格した当時14歳のジャンヌ・ルルーにこの曲を献呈しています。
『シャブリエ風に』と『ボロディン風に』は、1913年にイタリア人の作曲家カゼッラに書いてみたらと促され書かれた作品で、二人の作曲家へのパロディともオマージュとも言えるラヴェル独自の語法で描かれた、遊び心ある小品です。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『プレリュード』『シャブリエ風に』『ボロディン風に』
フランソワ・ジョエル・ティオリエ(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
オペラ『ペレアスとメリザンド』の成功で作曲家として高い評価を得た、クロード・ドビュッシー円熟期の作品『喜びの島』。
既婚者であるバルダック夫人とのジャージー島での悦楽の日々を描いていると思いきや、純粋にドビュッシーの頭の中で夢想され、書かれた作品のようです。もしかしたら、愛する人との来たる滞在を想像して作曲されたのかもしれません。
しかし想像は現実を上回り、曲はなまめかしくも捉えどころなく、時に不安げな様子をみせます。旋法や増音程の妙をお楽しみください。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『喜びの島』
石野真穂(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団