
ダリウス・ミヨーの「二つのヴァイオリンとピアノのためのソナタ」の第2楽章です。
バロック時代の成熟した、トリオ・ソナタという、声部も形式も三部で成り立つ、音楽的にも基本となる形式に、多彩な様式の音楽を巧みに紡ぎ込む手法が際立つ技法は秀逸です。
ミヨーの作風を語る上で「折衷主義」という言葉が使われることがありますが、西洋におけるこの概念には二つの考え方があります。一つは、複数のものから良いところを「抽出」して組み合わせるエクレクティシズム、もう一つは、複数のものを混合するシンクレティズムです。
ミヨーは、後者の「混合」に近いと考えられます。様々な作曲家の多様な要素を合わせることで、まるで色を混ぜて全く別の色を生み出すように、独自の音楽を作り上げました。
中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ダリウス・ミヨー作曲 『2つのヴァイオリンのためのソナタ』第2楽章
樫本大進 /ヴァイオリン(Strad. Violin1722"ジュピター"
佐藤俊介 /ヴァイオリン(Strad. Violin1725"ウィルヘルミ")
市野あゆみ/ピアノ
(2004年4月4日Universität Mozarteum Salzburg Großer Saal にて演奏・収録)
【協力】日本音楽財団
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団