2025年8月後半から9月前半にかけての星空案内です。
0:36
8月中旬から下旬の夜明け前には、明るくよく目立つ金星、木星が見え、8月19日に西方最大離角となる水星も低いところに見つけられます。そして20日、21日頃には細い月も加わって、「月、水、木、金」と平日の曜日の天体たちが集います。日々の位置関係の変化が肉眼で楽しめるので、早起きをしてご覧ください。
3:41
今年の旧暦7月7日、伝統的七夕の日は8月29日です。空高くに織女星・ベガと牽牛星・アルタイルが向かい合い、その中を流れるのが天の川。天の川の正体はたくさんの星の光、私たちの太陽系を含む2000億以上もの恒星が大きな集団を作る銀河系を中から見ている姿です。渦を巻いた円盤型の銀河系の、その中心から少し離れたところに太陽系があります。銀河系は回転しており、太陽系が一周するのにかかる時間は2億~2億5千万年ほど。これを1銀河年といいます。長い時間をかけて巡る太陽系の姿を想像しながら天の川を眺めてみては。
#伝統的七夕#天の川#銀河鉄道の夜#銀河年
2025年8月前半から後半にかけての星空案内です。
0:45
お盆のころに多くの流れ星がみられるペルセウス座流星群。今年は13日の明け方がピークとされます。夜半ころには東の空からペルセウス座が昇りますが、星座がわからなくても流れ星は空のどこにでも現れるので大丈夫。月明かりはあるものの、なるべく暗いところで観察すると、普段より多くの流れ星を見ることができます。くわえて、12,13日の明け方、東の空では明るい木星と金星が接近して見えます。日ごと位置関係が変わるので、早起きして毎日観察すると良い自由研究のテーマになるかも。
5:25
さそり座の心臓は赤い一等星のアンタレス。戦いの神アレスの名が含まれており、アレスは火星を示すことから、火星に対抗するもの、あるいは火星に似たもの、といった意味合いがありあます。どちらも赤い色が特徴ですが、火星は惑星で大地の色、アンタレスは恒星で表面の温度がそれぞれの赤さの理由です。アンタレスの表面温度は星としては低めの3~4000度ほど、星の寿命の最後の段階で、大きく膨らみ表面の温度が下がっています。宮沢賢治の銀河鉄道の夜では、蠍の火として登場。バルドラの野に棲む蠍が真っ赤な火になって、今でも燃えているといいます。物語をたどりながら、夏宵空を散歩してみては。
2025年7月後半から8月前半にかけての星空案内です。
0:37
宵涼みがてら空を見上げると、明るい一等星を手がかりにいくつもの星座を見つけることができます。天頂をはさんで西にうしかい座のアークトゥルス、東にはこと座のベガ、どちらも0等級の輝きです。ベガは、わし座のアルタイルとはくちょう座のデネブとともに夏の大三角を作ります。南の低い空には赤味がかったアンタレス、さそりの心臓。西の低空にはおとめ座のスピカ。これらから、てんびん座やへびつかい座、ヘルクレス座などをたどることができます。
6:05
準惑星の一つ、冥王星が衝を迎えます。とはいえ明るさは15等級なので、望遠鏡を使ってもまず見ることはできません。冥王星は1930年に発見され、2006年に惑星の定義が定められるまで惑星に数えられていました。かつては9つの惑星だったのです。また、その楕円軌道により1979年から1999年までは、第8惑星・海王星の平均距離(45億㎞)より太陽に近いところを回っていたので、惑星を「水金地火木土天冥海」と覚えている方もいるでしょう。現在はやぎ座に位置し、248年の時をかけて星空を巡る冥王星に思いを馳せてみては。
2025年7月前半から後半にかけての星空案内です。
0:37
7月7日は七夕。旧七夕(伝統的七夕)は今年ずいぶん遅く、8月29日です。
織姫星(織女星)と彦星(牽牛星)はどちらも恒星、太陽系からの距離はそれぞれ25光年、17光年あり、二つの星の間も15光年ほども離れています。一晩のうちに近づくことはありませんが、昔の人はたらいに水を張って星を映し、揺らめく水面に二人が近づく姿を楽しんだという話もあります。
織姫星のベガ、彦星のアルタイルに、はくちょう座のデネブを加えると夏の大三角です。大きな翼を広げて天の川を飛ぶ白鳥は、雨の日に二人を渡してくれる存在かも知れません。
6:00
7月上旬は日没後の西の低空で水星を見つけられます。暗くなったころには同じ西空に火星の姿も。今年は今の時期、宵の内明るく目立つ惑星がありません。けれど夜更けころには東の空から土星が、夜明け前には明けの明星・金星が姿を現します。宵、夜半、明け方と、自分の生活スタイルにも合わせて折々の星空を楽しんでみては。
2025年6月後半から7月前半にかけての星空案内です。
0:41
2025年は6月21日が夏至です。北半球側が太陽のほうに向いているので、北極圏では白夜に。同様に日本でも、北の方ほど昼が長くなります。札幌と那覇を比べると、1時間半ほども札幌のほうが昼が長いのです。
3:08
6月下旬から7月上旬頃は、日没後の西空で水星観察のチャンスです。空が暗くなってきた日没後30分頃で高度が10度ほど、西側が開けたところで観察してみてください。水星は自転周期が長く、公転周期は短いため、水星にとっての一日は6か月ほどにもなります。昼夜の温度差が激しい惑星です。
6:41
さそり座とおとめ座に挟まれたてんびん座。おとめ座を正義の女神とみるならば、その持ち物といえます。人の心、正邪をはかる天秤です。また、かつて秋分点がこのてんびん座の近くにあったので、物の均衡をはかる道具としての天秤がここに置かれたともいいます。あまり目立たないながら、いわれをたどると面白いてんびん座の星々を梅雨の晴れ間にたどってみては。
2025年6月前半から後半にかけての星空案内です。
0:40
うしかい座の一等星アークトゥルスは、麦星と呼ぶ地方があったといいます。七十二候の一つ、麦秋至(麦の時至る)は今年5月31日~6月4日となり、今が麦の刈り入れの時期。このころ頭上高く輝くのがアークトゥルスなので、麦星です。
オレンジがかったアークトゥルスの色は、表面温度が4,000度ほどであることを示しています。おとめ座のスピカは2万度ほどもあり、こちらは青白い星。色の対比が美しいので春の夫婦星の見方もあります。恒星は長い時間をかけて位置が少しずつ変わっていきますが、アークトゥルスは西暦55,000年頃になるとスピカのすぐ近くに並ぶと計算されています。
5:25
うしかい座の東隣にあるかんむり座T星。約80年の周期で新星爆発を繰り返しており、昨年からその兆候が現れたとということで、爆発間近と考えられています。冠のなかほどにあるのがアルフェッカという2等星で、T星が新星爆発を起こすとこの星と同じような明るさになると考えられています。爆発後は急速に暗くなるとされているので、もし起こればすぐに見ることをお勧めします。いざ爆発が起こった時にどれか見分けられるように、普段のかんむり座の形を夜ごと確かめてみては。
2025年5月後半から6月前半にかけての星空案内です。
0:36
北斗七星の星には、水を入れる側の端からドゥーベ・メラク・フェクダ・メグレズ・アリオト・ミザール・アルカイドと名前がついています。ミザールをよく見ると、アルコルという4等星がすぐ近くに並んでいるのがわかります。目試しとして使われていたという話もある肉眼二重星です。
3:00
一つの星だと思っていたのに、望遠鏡で観察すると二つに分かれて見える、といった星を二重星と呼びます。明るさや色の差があったり、同じような星が双子のように並んでいたり、組によっていろいろな面白さがあります。実際にお互いの周りを回りあうのは連星と呼ばれています。
8:00
宵空に残る火星は月の次に人類が向かう天体です。太陽系の8つの惑星のうち、木星以遠はガス惑星で大地がなく、水星や金星は過酷な環境。火星は大地があり、人類が降り立つことは可能です。月に比べてずいぶん遠いので、まだしばらく先の話になりますが、いつか人類が火星に到達する日を夢見ながら夜空を眺めてみては。
2025年5月前半から後半にかけての星空案内です。
0:39
4月30日には月と木星が並び、5月3,4日には月と火星が近いところに見られます。また、5月4,5日あたりは火星がかに座のプレセぺ星団のすぐ近くを通っていきます。双眼鏡では火星と星団が一緒に見られるでしょう。ゴールデンウイークは宵空をお楽しみください。
3:19
かみのけ座は「宇宙ののぞき窓」と呼ばれることも。私たちの銀河系の円盤に対して垂直な方向、銀河北極があり、銀河系の仲間の星に邪魔されずに遠くが見通せるからです。このあたりには銀河系外の別の銀河がたくさん観察できます。銀河の姿は大変淡いので、空の暗いところでの観察がおすすめです。
8:33
空に高い北斗七星。端の2つを結んで5倍伸ばすと北極星が見つかります。北斗七星は周りの星をつなげておおぐま座となり、北極星も小さなひしゃくを作ってこぐま座になります。おおぐま座の足元には2つずつの星が3組、てんてんと動物の足跡のように並んでいます。かわいらしい足跡を皐月の空にたどってみては。
2025年4月後半から5月前半にかけての星空案内です。
0:40
この春から明けの明星となった金星。4月末には最大光度となります。午前中のうちに南にやってくるので、すっきりと晴れた日には、昼前に青空の中に見つけられるか挑戦してはいかがでしょう。金星の明るさの理由の一つは0.78という高い反射能。金星を覆う厚い大気が太陽の光をよく反射します。金星表面上では90気圧にもなる二酸化炭素が主成分の大気は、その温室効果によって昼夜問わず460度という高温の世界を作り出しています。
5:35
西の空に傾いてきた火星は反射能0.16。赤さびを多く含む大地が広がっています。5月のゴールデンウイークのころには、かに座のプレセぺ星団に並んで見えます。3日から6日頃にかけて日々、星団との位置関係も変わって見えるので、双眼鏡でご覧ください。なるべく空の暗いところがおすすめです。
7:54
黄道12星座のなかで一等星をもつのは5つ。今は西の空に残るアルデバラン(おうし座)、ポルックス(ふたご座)、南から東側のレグルス(しし座)、スピカ(おとめ座)の4つを見渡せます。このあとアルデバランが沈んだ後、東からアンタレス(さそり座)が昇ってくるので、入れ替わってまた4つ。今の宵空は一等星を持つ星座を一番多くみられる時期といえます。自分の誕生星座があれば探してみては。
2025年4月前半から後半にかけての星空案内です。
0:38
3月29日が新月、4月上旬は次第に満ちていく月が宵空に見えます。よく晴れていれば3月31日頃から細い月が西の空に現れますが、春の三日月は光っている膨らんだ側が下になり、お皿のようです。月の通り道である白道が地平線に対して垂直に近いからで、高さもあってよく目立ちます。秋になると白道が横たわり、三日月はバナナのように立てた形で低いところに見えるようになります。
3:04
4月13日は満月、これは今年一番地球から遠いところで起こる満月です。これをマイクロムーンと呼ぶこともあるようで、地球に近い満月のスーパームーンと対になっています。定義がないため正式な用語とは言えませんが、距離が異なるのは確か。月までの距離は平均で38万㎞あるものの、近い時には36万㎞を切り、遠い時には40万㎞を超えます。記憶だけで比べるのは難しいことですが、写真に撮るなどするとこの違いを確かめることはできます。
5:36
宵空に見える明るい惑星は火星と木星だけになりました。木星も少しずつ見ごろが終わりかけていますが、火星は星空の中を東へ東へと位置を変えていくので、夏が始まるころまで宵の空に残ります。東の空から昇ってくるのが、うみへび座。お正月の頃くらいしか気にされない今年の干支であるヘビを、この春の空でたどってみては。
2025年3月後半から4月前半にかけての星空案内です。
0:35
西の空に傾き始めた冬の星座たち。ベテルギウス、プロキオン、シリウスを結ぶ冬の大三角の中を流れるのは、冬側の天の川。天の川は星空を一回りしているので、どの季節でも夜のうちには見ることができます。天の川の正体は銀河系という渦巻円盤の形をした星々の大集団。太陽系は中心からずれたところに位置していて、中から周りを見渡すと円盤部分の星が集まって帯状に見え、これが天の川となります。冬側の天の川は縁の方を見ているので夏側に比べ淡いのは確か。月明りや街明かりを避けてご覧ください。
5:23
ふたご座の兄の星カストルは、望遠鏡で見ると2つに見える二重星です。重力的に結びついた連星という組ですが、なんとこの2つの星はそれぞれがさらに連星になっています。加えて、少し離れたところに別の連星があり、この連星は先ほどの連星同士の組の周りをまわっています。連星が二組、さらにもう1組の連星で合わせて6連星。肉眼でこれを見ることはできませんが、どんな世界が広がっているか、春の宵空で想像してみては。
2025年3月前半から後半にかけての星空案内です。
0:45
宵の明星は3月半ば過ぎには日暮れ後の空から姿を消します。20日過ぎに内合(ないごう)となり、これを境として日没後の西空から夜明け前の東空に移るので、今年の春以降は明けの明星となります。この内合の時には地球と太陽の間をすり抜けていくわけですが、ぴったり重なると太陽面通過(日面通過)という現象が起こります。太陽面上を黒い金星の姿が通過しますが、大変まれな現象です。2004年、2012年に見られたものの、次は2117年、まだ90年以上先のこと。人によっては一生見ることができないこともある現象です。
4:40
木星がおうし座の角あたりで輝いています。近くには赤い瞳のアルデバランという一等星。このおうしの顔はまばらに星が集まったヒアデス星団という星の集まりです。散開星団(さんかいせいだん)という種類の天体で、おうしの肩あたりにあるプレアデス星団も同じ散開星団です。プレアデス星団の方が遠くにあるので小さく固まって見えます。また、ヒアデス星団のほうが星団としての年齢が上なので、時間経過とともにばらけてきたこともあり、同じ種類とはいえ見え方は異なっています。
7:27
プレアデス星団の和名はすばる。このすばるの星々が半月手前の月に隠される「すばる食」と呼ばれる現象が3月5日に起こります。双眼鏡で見ていると、月の光っていない夜の側にすばるの星が次々に隠されていくのがわかります。午後10時ころから夜半に月が沈むまでと時間はかかるので、じっくりご覧ください。恒星は遠くにある点と考えることができるので、隠れるときには一瞬で消えます。普段は気づかない、星空に対する月の動きを感じてみては。
2025年2月後半から3月前半にかけての星空案内です。
0:37
日暮れ後の空では宵の明星・金星がよく目立っています。2月15日が最大光度で、条件が良ければ昼の青空の中でも見つけることができるほどですが、この先は徐々に太陽に近づいていきます。天頂近くには木星、東の空には火星も。火星は地球との距離が離れていくため次第に暗くなっていきます。
2:52
南の空に見えている冬の大三角。オリオン座のベテルギウスと、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンで作る逆さまの三角形です。シリウスは-1.5等級と星座を形作る恒星の中では現在の地球から見て最も明るい星。2番目に明るいのは、りゅうこつ座のカノープスですが、南に低いため東北以北では見ることができません。北緯35度付近では高度が3度ほど。南の空がよく開けたところで時間を定めて探してみましょう。なかなか見られないため、南極老人星、見えれば縁起のよい星として知られています。
6:50
冬の星座は一等星が多くきらびやかですが、今年は木星と火星も加わり一層豪勢です。このうち、木星や火星は太陽系の惑星で自分では光らない天体。星座を作る星は恒星で太陽と同じく自ら光る天体です。惑星の世界は光の速さで数分~数時間程度であるのに対し、恒星の世界は年単位。一様に見える星空の中に、さまざまな距離からやってくる星の光を感じてみては。
2025年2月前半から後半にかけての星空案内です。
0:39
日暮れ後の空でよく目立つ金星。2月15日に最大光度となります。その明るさは-4.9等級、このくらい明るいと昼の青空の中に見つけることもできます。スマホのアプリなどで位置の見当をつけ、太陽光が直接目に入らぬよう物陰に隠れるなどして、青空の中に目を凝らすと白い光の点として見えます。この日に限らず、前後しばらくは観察チャンスの時期で、今は太陽の東側にあり昼以降に南の空で見つけることができます。空が澄んでいることも必要なので、よく晴れた日には挑戦してみてはいかがでしょう。
04:26
おうし座の肩のあたりにあるプレアデス星団。宵空では頭の真上近くにやってきています。肉眼でもぼんやりと光がにじみ、6つくらいの星が数えられるので六連星(むつらぼし)の名前も。和名で最も有名なのは、すばるです。統ばる、一つに集まる、といった意味からきた言葉で、平安時代の清少納言も「星はすばる・・」と枕草子に記しました。
08:14
星雲や星団を集めたカタログに、フランスのシャルル・メシエが作ったメシエカタログがあります。頭文字をとり、Mを付けて表記するもの、たとえばプレアデス星団はM45です。一部該当がないものもありますが、1から110まであるメシエカタログ、その中にはウルトラマンの故郷があるとされるM78も含まれます。オリオン座の三ツ星の近くにあり、反射星雲に分類される天体です。惑星があるような天体ではありませんが、宇宙のどこかにはそんな星があると想像しながら冬空を見上げてみては。
2025年1月後半から2月前半にかけての星空案内です。
0:35
日没後の南西の空には宵の明星・金星、ほど近いところに土星が見えています。1月中旬から20日過ぎにかけては、金星と土星が並びあい、日々位置関係が変わっていく様子もわかります。金星は-4.5等級ほど、土星は1等級ほどで、その差は150倍以上にもなります。また土星は今年、環を横から見る位置にきて、環が見えなくなる土星環消失となります。およそ15年に一度のことなので、次の土星環消失は2039年です。
4:04
東の空で目立つのは木星、おうし座の一等星・アルデバランと並び、色味の違いも楽しめます。まだ低く昇ったばかりの火星、こちらは赤みがかった色。今はふたご座のカストル・ポルックスの兄弟星と並び、さながら三つ子のようでもあります。
5:33
今年は宵空に4つの惑星が見えていますが、来年の同じ時期には火星と金星は見えなくなっています。太陽系の各惑星はそれぞれ回るスピードが異なり、星空の中での動きも違います。トラック競技で例えると、地球と横並びになってから、次に追いついて並ぶまでにかかる時間が会合周期。遠い惑星は動きが遅くて会合周期が1年に近く、ほぼ翌年でも同じように見えます。けれど地球に近い惑星は地球とスピード差がそれほどないため会合周期が長く、火星では2年2か月もあります。一年たつと、見えている位置がずいぶん変わってしまうのです。
9:40
東側に広がるのが冬の星座たち。明るい一等星が多く、冬の大三角、冬の大六角(冬のダイヤモンド)などの目印も作れます。今年はここに木星、火星の輝きが加わっているので、なお賑やかです。
12:23
1月20日が大寒、一番寒い時期です。1902年1月25日には郷里・旭川で日本の最低気温-41℃を記録しました。ただ次の二十四節季は2月3日立春です。暦では確かに春が近づくころ、凍てついた空の星の輝きを楽しんでは。
2025年1月前半から後半にかけての星空案内です。
0:23
2025年は巳年。星座にも“へび座”“うみへび座”“みずへび座”があります。医者のアスクレピオスがモデルのへびつかい座が持っているのがへび座、88星座の中で一番面積の広いうみへび座、天の南極に近く沖縄方面でも少ししか見られないみずへび座。うみへび座は春の宵に見やすく、うねうねと伸びるので一番へびらしいかもしれません。
4:38
干支は年賀状では大活躍ですが、日常生活で活きる干支もあります。お昼を表す正午、そして午前、午後。この「午」は干支のうま。0時がねずみで、12時が割り当たったのがうまだから。また方位も干支で表しており、北のねずみ(子)と南のうま(午)を結ぶのが子午線と呼ばれます。
6:40
1月4日0時ころをピークとするしぶんぎ座流星群が見られます。月明かりがなく条件は良いので、三が日明けの未明に挑戦してみてはいかがでしょう。
7:24
しぶんぎ、ろくぶんぎ、はちぶんぎ、これらは測量の道具です。四分儀は今はない星座ですが、六分儀、八分儀は88の星座に含まれています。
8:17
火星の観察シーズンがやってきました。今回は距離が遠めの小接近ですが、オレンジがかった色合いの火星は宵の東の空で目立ちます。2年2か月ごとに地球に接近する火星を望遠鏡で観察してみては。
2024年12月後半から2025年1月前半にかけての星空案内です。
0:25
12月31日が大みそかです。旧暦では一か月の長さが29日か30日であり、30日は三十日、みそか。ここからみそかは月の最後の日を表すようになり、一年最後のみそかが大みそかです。なお、大晦日と書く「晦」の字は「つごもり」、月が欠けていって隠れる、月こもりの意味で、これも月の最後を表す漢字です。
1:53
一年は12か月、星空にも黄道12星座があります。誕生星座は、黄道一周360度を12で等しく分けた黄道12宮で決められ、この起点が春分点。ここから30度分が白羊宮、次が金牛宮、双子宮・・、と続きます。なので最初のおひつじ座生まれは春分の日となる3月21日あたりから始まります。
5:43
明るい4つの惑星がいちどきに見られるようになってきました。日没後には西の空に金星、南西の空に土星、東の空には木星、そしてほどなく火星が昇ってきます。12月下旬頃には火星が昇る時間も早くなってきて、西から東まで4つの惑星をたどることができるようになります。
7:06
星座の世界も夏から冬までを眺め渡せます。西の空に残る夏の大三角、はくちょう座は今の時期、頭を下に向けて飛ぶ格好となり、地平線の上に掲げられた十字架のよう。天頂あたりにはエチオピア王家物語の登場キャラクターが一面に、東の空からはオリオン座をはじめとしてきらびやかな冬の星座が続々昇ります。
2024年が終わります。
いつも変わらぬこの星空が、誰にも安らかに広がりますように。
2024年12月前半から後半にかけての星空案内です。
0:27
12月21日が冬至、一年で一番日が短い頃です。ただ日の入りが一番早いのは冬至前の12月上旬、また日の出が一番遅くなるのは年が明けた1月上旬ではあります。
1:23
12月14日未明にふたご座流星群がピークを迎えます。ふたごの頭には兄弟の名をとった明るい星があり、兄の星が2等星のカストル、弟の星が1等星のポルックスです。ふたご座流星群はこのカストルの近くに輻射点(ふくしゃてん)があります。流星群は彗星が残していったチリの帯に地球が通りかかることで生じ、このチリはそれぞれ平行に地球に飛び込んできます。これは降る雨を見上げると頭上を中心に四方八方に雨粒が流れるように、地上で観察するとある一点が中心となって流れ星が飛ぶように見えます。流れ星が光り始めるスタート地点ではありませんが、経路を逆にたどると輻射点に行き着くのが流星群の流れ星です。三大流星群は8月のペルセウス座流星群と1月のしぶんぎ座流星群、それに12月のふたご座流星群です。ちなみに2025年のしぶんぎ座流星群は1月4日の午前0時ころがピークとされるので、この時間帯を狙って観察してみましょう。
5:58
日暮れ後の西の空には金星、東の空には木星が目立ちます。木星は12月8日が衝(しょう)で、一番明るく観察しやすいシーズンです。望遠鏡では縞模様がわかり、これは木星表面で流れあう大気の色、木星はガス惑星に分類されます。ただいわゆる雲のような部分は表面だけで、内部は主成分である水素が圧力によって液体水素や金属水素と呼ばれる状態になっているといいます。また、周りには明るい4つの衛星がわかり、近い順にイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの名前があります。木星のまわりを回り、日ごと位置が変わって見える衛星の姿を観察してみては。
2024年11月後半から12月前半にかけての星空案内です。
0:25
11月中旬~下旬に、日没後から夜半前にかけて7つの惑星を観察できます。日没後の西の空に水星、金星、暗くなったころには南の空に土星。近くには海王星がありますが、望遠鏡が必要です。東の空からは現在おうし座に位置している明るい木星が昇ります。おうし座の片目は赤い一等星アルデバラン。少し上にいくつかの星が集まって見えるプレアデス星団・すばるがあってこのあたりには天王星。こちらは6等級なので海王星と同じく望遠鏡で見なければなりません。夜半前にはさらにオレンジがかった色味の火星が昇って、これで7つ。太陽系には8つの惑星があり、空にあるのはそのうち7つ。残りの一つは私たちが暮らす足元にある地球です。
5:55
天頂あたりに秋の四辺形、これは天馬ペガサスの体を作り、北東の角はおへその星、アルフェラッツ。ただ現在の区分けでは天馬のおへそではなく、お隣アンドロメダ姫の頭の星です。四辺形の北側2つの星を東に伸ばしていくとアンドロメダの姿がたどれ、その中ほどにアンドロメダ銀河があります。暗い空なら肉眼でも淡い光芒がわかるアンドロメダ銀河。宇宙には星がばらばらにあるわけではなく、星やガスが集まった集団・銀河がたくさんあります。その一つがアンドロメダ銀河であり、私たちの太陽系も銀河系・天の川銀河の中に含まれています。規模的にお隣の銀河といわれるアンドロメダ銀河ですが、その距離は250万光年、秒速30万㎞の光が250万年かかる距離にあります。今見るアンドロメダ銀河は250万年前の姿、向こうにも250万年前の私たちの姿が届いていることでしょう。現在の私たちの姿が250万年後にアンドロメダ銀河に届くことを想像しながら、冷たさを増す初冬の星空を眺めてみては。
2024年11月前半から11月後半にかけての星空案内です。
0:25
10月中旬から見え始めたツーチンシャン・アトラス彗星。しっぽを上にした彗星の姿が肉眼でもわかりました。10月16日には尾の長さが伸ばした手のげんこつ1個分くらいにあたる10度ほどは見えていました。だんだんと暗くなり目ではわからなくなっていきますが、二度と帰らぬ旅路に出る彗星の姿を見送ってみましょう。
1:55
秋空に見られる黄道12星座は西から やぎ座、みずがめ座、うお座。どれも暗い星ばかりの星座たちです。秋の四辺形や、ここから見つかる一等星、みなみのうお座のフォーマルハウトなどを目印に探してみましょう。なお、うお座、みなみのうお座と魚が星座となっていますが、呼び方は うお。それはこの生き物の名前が元来うおだから。お酒を飲むときのいいおつまみとなる、酒の菜、さかな。そうしていつしか、この生き物自体の名前が さかなになったといいます。
6:03
11月中旬から下旬は夕方の西空で水星を見るチャンス。目立つ宵の明星・金星の右下あたりと見当をつけることができます。南の空には土星、土星には100個以上の衛星があり、そのなかで最大はタイタン。タイタンは惑星である水星よりも大きな天体です。日暮れ後しばらくすると東の空には明るい木星が昇り、続いてきらびやかな冬の星座たちも続々姿を現します。星空からも季節の移ろいを感じてみては。