名句勝手鑑賞「やるせない川柳2」をお送りしています。第4回目の作家は「村井美也子」さん。
制御できないまま高くなっていく歌声と、たどり着いたのは表情の失われた海。どうにもならないやるせなさを真正面から見据える川柳をあなたに。
歌声をだんだん高くして泣いた
河口まで来たのにのっぺらぼうの海
村井美也子
句集「月見草の沖」2017
名句勝手鑑賞「やるせない川柳2」をお送りしています。第3回目の作家は「丸山芳夫」さん。
出張中にふっと立ち寄る立ち食い蕎麦と、馴染みの寄席でいつになく染み入る落語のサゲ。江戸っ子の粋が光る、格好良いやるせなさをあなたに。
セーフティーバントのように駅の蕎麦
この世から落語のサゲのように去る
丸山芳夫
川柳句文集「虫めがね」 2022
名句勝手鑑賞「やるせない川柳2」をお送りしています。第2回目の作家は「樋口由紀子」さん。
意味はない。けれど何かが引っかかる。笑えるのに、胸のどこかがざわつく。不思議な手触りのやるせなさを、じっくりと味わって。
わたくしと安全ピンは無関係
天井から降ってきたのは花かつお
樋口由紀子
句集「めるくまーる」 2018
9月の名句勝手鑑賞は「やるせない川柳2」。4回にわたってお送りします。
もう交わらないすれ違ったままの“見解”と、感謝の言葉の中に静かに置かれた断絶。日常のふとした瞬間のかすかな痛みを鮮やかに切り取る川柳をあなたに。
見解が違う青森県の空
ありがとうございましたは捨て科白
筒井祥文
句集「座る祥文・立つ祥文」 2019
語彙が足りない気がして、言葉が出てこない。
それは「語彙がない」のではなく、「まだ出会っていない」だけかもしれません。
初心者さん応援シリーズVol.10のテーマは「語彙の増やし方」。
でも、ただ言葉を集めればいいわけではありません。むしろ、“奇抜な語彙”ばかりを追いかけていると、川柳がかえって不自然になってしまうことも。
今回の配信では、語彙の「量」だけでなく「質」を育てるためのヒントを、一緒に考えます。
「名句勝手鑑賞」テーマは「冷やっと川柳」第4回目の作家は「高田寄生木」 さん。
すれ違う黒マントの影、そして掘り終えた穴。人生の後半戦を迎えた男が対峙するものとは。ひんやりとした手触りのハードボイルドな川柳をあなたに。
男五十 黒いマントとすれ違う
穴ひとつ掘り終えてから水ふくむ
高田寄生木
句集「夜の駱駝」1990年
「名句勝手鑑賞」テーマは「冷やっと川柳」第3回目の作家は「内田真理子」 さん。
いつもの駅の下の暗渠に潜む異世界、そして誰しも抱える雪を見ている「誰か」。自分の外側と内側にある「ひんやりしたもの」を魅せてくれる、そんな川柳をあなたに。
駅をめくればうっすら雨月物語
体内の雪を見ているずっと遠くで
内田真理子
句集「ゆくりなく」2010年
「名句勝手鑑賞」テーマは「冷やっと川柳」第2回目の作家は「新井笑葉」 さん。
安心し切って掬った水に裏切られる、そして老人が召されたあとに残されたものの行方。ひんやりした孤独を孕む川柳をあなたに。
透明な水を掬って騙される
孤老死すダッチワイフの行方など
句集「6Qの果実」2011年
「名句勝手鑑賞」テーマは「冷やっと川柳」第1回目の作家は「澤野優美子」 さん。
遠く響く合唱と真水、そして数式が導く愛のかたち。分け入るに従って周到な大人の企みに酔う、ひんやりとした官能の川柳をあなたに。
混声合唱ちいさく揺れている真水
数式にのっとりくちびるから愛す
澤野優美子
句集「6Qの果実」2011年
「何を書けばいいの?」と立ち止まってしまったあなたへ。
川柳を書こうとして、手が止まる瞬間。
「テーマが決まらない」「書きたいことが見つからない」
そんな時にどうすればいいか、
今回は“川柳を書くためのヒント集”をお届けします。
川柳に「正解」はありません。
迷ってる今も、書けない気持ちも、すべてが糧になります。
あなたのペースで、あなたの一句を育ててくださいね。
📩 アンジェリカ川柳大会は7月31日 23:59締切!
https://www.senryu-angelica.com/webcompetition
「うまく書けないから、出すのがこわい」―そんなあなたへ。
川柳アンジェリカ大会、いよいよ締切まであと2週間。
今回のオフせんは、「“上手く書かなくていい”って本当?」という問いをテーマにお届けします。
川柳に必要なのは、技巧よりも“ことばの体温”。
上手さにとらわれず、自分らしい句が誰かの心に届くことこそ、川柳の魅力です。
句の“個性”が生む共鳴
言葉から情景が浮かぶ、“映像の力”
17音の中に何を省き、何を残すか
上手くなくていい。
あなたにしか書けない一句を、待っています。
🎫 川柳アンジェリカ大会は7/31 23:59締切
📩 投句は特設ページからどうぞ
https://www.senryu-angelica.com/webcompetition
【第一回アンジェリカ川柳大会】、開催中です。
「競い合うより響き合う」がテーマのこのオンライン大会を立ち上げた理由、どんな思いを込めたのか、他の大会とどこが違ってどんな楽しみがあるのか等々、潤々・めぐみがじっくりとお届けします。
今回は、特設ページで公開している「事務局からのボイスメッセージ」を、ラジオとして再構成した特別編。「川柳って難しそう」「出していいのかわからない」そんな気持ちごと、すくいあげたい大会です。
投句締切は【7月31日(木)23:59】。題は5つ、雑詠も1句。お好きな題から、1句だけでも大歓迎。川柳の新しい扉を開くあなたの一句を、待っています。
🎧 出演:河野潤々・藤田めぐみ
📝 大会ページはこちら → [https://www.senryu-angelica.com/webcompetition]
オフせん、ついに1周年!
2024年7月にスタートしたこの川柳トーク番組は、たくさんの「川柳を書く」「川柳を話す」「川柳でつながる」を育ててきました。そんな一周年記念の今回は、「川柳ポッドキャストってどうやって始めたの?」をテーマに、番組の舞台裏をご紹介。Zoom収録/iPhone録音/GarageBand編集/Canvaで作ったアートワーク……実際のやり方と、なぜ“音声”という手段を選んだのか、その理由もお話ししています。
そして今、『第一回アンジェリカ川柳大会』を開催中!「競い合うより、響き合う」今まで見たことのない新しい川柳大会にジョインしてください。
投句締切は【2025年7月31日 23:59】。川柳が好きなあなたも、なんとなく気になってるあなたも。ぜひ、あなたの川柳をお待ちしています!
🎧 出演:河野潤々・藤田めぐみ
📝 大会特設ページはこちら → [https://www.senryu-angelica.com/webcompetition]
新企画《句集偏愛 手前勝手に読み耽る》おのぎのあさんの自由律俳句集『こぼれる』を読む2回目。
使命や思惑を背負いつつ蠱惑的であらねばならぬ胡蝶蘭の切迫感と、絶望と希望どちらにも光る降車ボタン。日常を少しだけずらした先の世界をあなたに。
迫り来る胡蝶蘭のあまい書体
ベランダに光る降車ボタン
おのぎのあ
おのぎのあさんX(旧Twitter) @onogi_noa
新企画《句集偏愛 手前勝手に読み耽る》おのぎのあさんの自由律俳句集『こぼれる』を読む1回目をお送りします。
まっさらの朝に潜む恐れと陰影、アポロチョコの分断。日常を解像度高く捉える自由律俳句の魅力に分け入ります。
まだ何も失敗していない今日が始まる
アポロチョコきれいに割って探すかなしみ
おのぎのあ
おのぎのあさんX(旧Twitter) @onogi_noa
新企画《句集偏愛 手前勝手に読み耽る》西田雅子さんの句集『そらいろの空』を読む2回目。
物言わぬ目撃者ザクロと、琵琶湖にそっと置く"なりゆき"。その余韻から始まる物語を感じる川柳をあなたに。
脱走の一部始終を見たザクロ
なりゆきを琵琶湖の岸へ置いてくる
西田雅子
西田雅子句集「そらいろの空」
ふらんす堂オンラインショップ https://furansudo.ocnk.net/product/3142
Amazon https://www.amazon.co.jp/%E3%81%9D%E3%82%89%E3%81%84%E3%82%8D%E3%81%AE%E7%A9%BA-%E5%B7%9D%E6%9F%B3%E5%8F%A5%E9%9B%86-%E8%A5%BF%E7%94%B0%E9%9B%85%E5%AD%90/dp/4781417272
新企画《句集偏愛 手前勝手に読み耽る》のVol.1。取り上げるのは、西田雅子さんの句集『そらいろの空』。
距離をめぐるふたつの川柳から、心地よい揺らぎとともに視点の先に広がる、豊かな景色をたどります。句の余白に触れて、自分が透き通っていくような川柳をあなたに。
くちびると雨降る湖畔までの距離
スカートの裾野をバスがやってくる
西田雅子
西田雅子句集「そらいろの空」
ふらんす堂オンラインショップ https://furansudo.ocnk.net/product/3142
Amazon https://www.amazon.co.jp/%E3%81%9D%E3%82%89%E3%81%84%E3%82%8D%E3%81%AE%E7%A9%BA-%E5%B7%9D%E6%9F%B3%E5%8F%A5%E9%9B%86-%E8%A5%BF%E7%94%B0%E9%9B%85%E5%AD%90/dp/4781417272
文学フリマ東京40に、川柳アンジェリカが初出店!7冊の詩歌本を並べて、お客さんとリアルに会った1日を振り返ります。
「川柳の本って、文フリで売れるの?」「実際どうだったの?」気になるあれこれを、赤裸々にご報告。
出店して見えた“詩歌ジャンルのリアル”、7冊の川柳・短歌・詩の本をどうディスプレイしたか、一番売れたのはどれ?苦戦したのは?決済どうだった?──などなど、ぶっちゃけトークで振り返ります。
川柳で文学イベントに挑戦したい人、必聴の回です。
🎙️【文フリ東京40直前スペシャル・後編】
「川柳アンジェリカ、7冊ひっさげて参戦!」
今回ご紹介するのは、短歌・川柳・詩歌それぞれに個性が光る4冊──『いつか琥珀になる私たち』『ネコにもわかる川柳』『エンドロール・ノート』『せいいっぱいの花柄』。
さらに、設営準備のあたふた裏話、オンライン発の川柳ユニットが“紙の本”を出すことの意味についても、こっそり語ってます👂
文フリに来る人も、来られない人も、耳で楽しめるアンジェリカブースの舞台裏。どうぞお聴きください📚🎙️
🗓️【文学フリマ東京40】2025年5月11日(日)
📍東京ビッグサイト 南1・2ホール L-09-L10
🛎️川柳アンジェリカ、満を持して参戦!
🎙️【文フリ東京40直前スペシャル・前編】
「川柳アンジェリカ、7冊ひっさげて参戦!」
今回の『オフビートなら川柳で』は、2025年5月11日開催の文学フリマ東京40直前スペシャル!川柳サークル〈川柳アンジェリカ〉として、どんな思いで初出店を決めたのか?そして、頒布する7冊のうち、まずはこの3冊をご紹介。
📘『ア・ラ・カルト』──ジャンルも作風も自由自在、アンジェリカの魅力を一皿に。
📗『そんな気がしてた』──写真と川柳のコラボが生む、静かで確かな余韻。
📕『川柳刑事 episode ZERO ―五・七・死のメッセージ―』──“川柳で殺すだなんて、聞いてない。” 川柳×ミステリーの新感覚ビジュアルブック。
出店の裏話から、作品に込めた思いまで、語り尽くした前編。来場予定の方も、そうでない方も、川柳の“今”を耳で感じてください。
🗓️【文学フリマ東京40】2025年5月11日(日)
📍東京ビッグサイト 南1・2ホール L-09-L10
🛎️川柳アンジェリカ、満を持して参戦!