京王9000系 高尾山口〜つつじヶ丘.m4a
快速つつじヶ丘行を録音。快速つつじヶ丘行は調布→つつじヶ丘の区間以外は各駅に停車をします。終点のつつじヶ丘で各駅停車の新宿行に接続。
〜京王9000系〜
外観
7000系・8000系に続いてステンレス車体、20 m両開き4扉、扉間に窓2枚の基本レイアウトが採用された。ビードがなく、側扉部に縦線が見える日本車輌製造(以下、日車)標準構造が採用され、車体強度向上、軽量化のため戸袋窓を廃止。側窓は8000系と同様2枚をひと組にしたサッシュレスの1枚下降窓となったが、軽量化のため一部窓が固定式とされた。新宿線乗り入れのため、地下鉄乗り入れ車両の構造規定に従い、前面は貫通構造とされ、幅610 mmの開き戸が中央に設けられた。初代5000系のイメージを残した形状となり、傾斜をつけた側面まで回り込む曲面ガラスを採用。前面は一見平面的に見えるが、上面からみたときに半径10,000 mmの曲面で構成されており、工作の容易化のため乗務員扉部分までの前頭部がアイボリー塗装の普通鋼製とされ、スカートも同色に塗装された。正側面腰部にはイメージカラーである京王レッドと京王ブルーの帯が巻かれた。8000系で窓上に貼られていた京王レッドの帯は9000系では採用されていない。8両編成では車体下部に傾斜が設けられていたが、10両編成では直線状とされているほか、客用ドア窓支持方式も両者で異なる。車椅子スペースに隣接するドアには車椅子での乗降を考慮した傾斜が設けられた。8両編成の両車端には固定式の妻窓が設けられたが、10両編成では廃止されている。8000系に続いて車外スピーカーが設置された。
内装
車端部4人掛け、扉間7人掛けの京王線用20 m車としては標準的な配置が採用されたが、1人当たり座席寸法は8000系よりも10 mm拡大された450 mmとなっている。座席は片持ち式のバケット式が採用され、色は8000系よりやや濃いめのローズピンクとなった。7人掛け部分には3人と4人に仕切る握り棒が設けられているほか、一部の座席の裏には非常脱出時に用いる階段が取り付けられている。出入口脇には袖仕切り板を設け、立客の背もたれと座客の保護の機能を持たせているが、8両編成と10両編成では袖仕切りの形状が異なり、10両編成のうち9736編成以降の15本では握り棒が緩やかな曲線状に変更されている。明るさと清楚さを出すため壁と天井は白色系とされた。妻部は乗務員室後部を含み8両編成ではグレーの木目模様だが、10両編成では他の壁と同色とされた。床は茶系のツートンカラーで、中央部が薄く、座席付近が濃くなっている。天井は冷房ダクトと横流ファンを埋め込んだ平天井で、8000系よりも天井高さが25 mm高い2,270 mmとなった。8両編成の天井はFRP製だが、10両編成では新火災対策基準対応のため塗装アルミ材が採用されている。8両編成では2・4・6両目の京王八王子寄りに貫通路を仕切る引き戸が設けられているが、10両編成では京王八王子寄り先頭車を除くすべての車両への設置に変更。バリアフリー対応として、8両編成の2両目と7両目、10両編成の2・4・6・9両目の車端部1箇所に車椅子スペースが設けられた。車端4人がけ部のつり手・荷棚・座席をそれぞれ50 mm・100 mm・10 mm低くしている。車椅子スペースに隣接するドアの靴擦り部には傾斜が設けられ、車椅子での乗降容易化が図られている。京王で初めてドアチャイムと旅客案内装置が設けられ、8両編成全編成と2006年製までの10両編成5本にはLED式旅客案内装置が客用ドア上に1両に4箇所設置されたが、2007年以降製造の10両編成15本はLCD式車内案内表示器がすべての客用ドアの上に設けられている。
乗務員室
運転席からの視認性向上のため京王で初めて高乗務員室が採用され、従来車より乗務員室位置が約200 mm高くなっている。乗務員室はグレー系に塗装され、8000系のデジタル式速度計に変えて7000系以前と同様機械式の速度計が採用された。従来車同様ワンハンドルマスコンが採用されたが、ハンドル本体は8000系よりも大型化されている。力行2段目で定速制御が行うことができる。乗務員の支援、行先・種別表示、検修時の支援などを目的としたモニタ装置が乗務員室上部に設置された。8両編成の京王八王子寄り先頭車は2両編成を連結して幌で貫通することが想定されていたため可動式の仕切りが設置されているが、その他の先頭車には仕切りがない。8両編成には6000系・7000系と併結するための伝送変換器が設けられた。 10両編成には新宿線用ATCが設置され、一部の10両編成は京王ATCが設置された。京王ATCは後に全車に設置されている。
主要機器
主制御装置、主電動機
定格3,300 V・1,200 AのIGBTを用いたVVVFインバータ制御が採用され、1つの主制御装置で電動車2両1ユニット、8個の主電動機を制御するが、4個ずつ解放可能な2群構成とされた。日立製作所(以下、日立)製[2]VFI-HR-2820が採用され、デハ9000形に搭載。10両編成の9100番台はユニットを組まない単独M車として使用されるため、1群のみ搭載のVFI-HR-1420が搭載されている。京王線用車両として初めてIGBT素子を使用した制御装置を採用した。
主電動機は従来車より高出力の出力170 kW(定格電圧1,100 V、電流115 A)のかご形三相誘導電動機、日立製HS-33534-02RBおよび日立製EFK-K60が採用された。
駆動装置は京王従来車と同様WN駆動方式が採用され、歯車比は85:14である。
制動装置
制動装置は電気指令式 ナブコ製HRDA-1が8000系に続いて採用された。電動車と非電動車各1両を1組として回生ブレーキを優先する制御が採用された。9000系では全車両にブレーキコントロールユニットが搭載され、車両ごとに独立してブレーキ信号を受信している。踏面ブレーキは8000系最終製造車と同じユニット式の型押しブレーキが採用されている。
台車
8000系最終製造車と同一の東急車輛製造(以下、東急)製[2]軸梁式軸箱支持ボルスタレス空気ばねのTS-1017動力台車、TS-1018付随台車(いずれも固定軸距2,200 mm、車輪経860 mm)が採用された。台車枠の横梁は空気ばねの補助空気室を兼ねている。
集電装置
東洋電機製造製PT-7110シングルアームパンタグラフがデハ9000形全車と、8両編成の9100番台を除くデハ9050形に搭載された。
補助電源装置
8両編成のうち9706編成までの8本は出力170 kVAの静止形インバータ (SIV)が、9707編成・9708編成は空調装置能力増強のため210 kVAのSIV[2]が、10両編成には出力250 kVAのSIVがそれぞれデハ9050形に搭載された。
空気圧縮機
毎分吐出容量1,600リットルのスクリュー式電動空気圧縮機クノールブレムゼ製[注釈 10]SL-22がデハ9050形に搭載された。
冷房装置
9706編成までの8両編成には屋上集中式48.84 kW (42,000 kcal/h) の冷房装置が各車に1台、9707編成・9708編成と10両編成には屋上集中式58.14 kW (50,000 kcal/h) のものが同様に各車に1台搭載された。