
本日のプレイリスト:https://spoti.fi/3fRgPh5
(今回のメンバー:キョン、やすお、ソキウス)
現実はもっと複雑だけど、あえてスッキリと割り切ることで見えてきたもの。
今回のテーマは「イントロクイズにおける問題数と情報量の関係」について。
それを見ていくために、「フォロー行為」を例に各々の考えを挙げていきます。
このテーマについて考えてみるためにソキウスはあくまでも「仮定」の問いとして、イントロクイズ出題の解説/フォロー行為の際に、情報をあまり入れず多数の問題を出題するスタイルと、情報を多く入れこみ少量の問題を出題するという「両極」のスタイルのうち、どちらに自身が「よりなびく」かという問いをまずは設定し、その傾向と各々が想定する「TPO」とを突き合せていこうとします。
まずはやすおに最初の問いを投げかけると、もちろん場合にはよるが、自身の出題スタイルがそうであるというのもあって後者のスタイルによりなびくと回答。特に企画形式で出題者の「熱が入っている」ようなものだとその傾向はより顕著になります。
そしてキョンにも同じ質問を投げかけ。「究極」に迷うとしたうえで「気分によってどちらの出題を浴びたい」かが変わると答えたキョンに、その「気分」が指す内実をソキウスは問います。
フリーバッティング(フリバ)形式を大切にしていると語るキョンは、とにかく問題を量で浴びたい瞬間が自身にあるため「究極」に迷うとのこと。そのうえでキョンは自身の出題スタイルが傾向として情報重視であるところもあって、後者のスタイルによりなびくと回答します。
【参照:企画/フリバ回( https://spoti.fi/3HFzV2K )】
企画形式とフリバ形式とでは「動き方」が変わると語るキョンは、特にフリバ形式では「ボタンを押すことで自分の知識になっていく」という考えから、「誤答してなんぼ」だとある程度は思っているとのこと。また企画形式では「気軽に押せない」ようなルールになっていることが「ままある」というキョンの実感、さらにそのようなルール設定だと自身が感じた場合は「誤答があまり出ないような企画にしたい」のだろうという「意志」の汲み取りを行っているという言葉などから見え隠れする、企画形式の方が「曲が重視されている」というキョンの感覚がここで見えてきました。
この回答を受けてソキウスは「この回の主旨とはちょっとずれる」論点だと断ったうえで、先ほど挙げたようなキョンの態度は、極端に言えば「企画者の出題意図の裏読み」なのかどうかをここで尋ねます。これに対してキョンは「そうとも言える」とし、そのような「意図」は「出来るだけ考えたい」と明言。「曲とかに注目する」のではなく、「ルールの形式を試したい」イントロクイズの場の可能性についてここで言及しました。
ここまでの2人の回答を受けてソキウスは冒頭の質問の「派生」として、イントロクイズの場において、競技クイズ的な「プレイング」の要素と(そのような場で提示される)音楽情報という要素とを比べたときに、その両極の中でどちらをより重視するかという新たな問いを投げかけます。
【参考:「競技クイズ」関連回[「競技クイズ」回( https://spoti.fi/2SjYvSr )、イントロクイズと勉強の回( https://spoti.fi/3BP5cNq )、「座学」と「暴力性」の回( https://spoti.fi/3cesvWf )、競技スタイル回( https://spoti.fi/3FTRFrf )]】
この問いに対しやすおは、過去の競技クイズ関連の回でも述べたような自身のクイズのスタイルもあって音楽情報の方を選択。キョンもどちらかといえば音楽情報寄りではあるが、自身が出題者か参加者かでその傾向が少し変わると回答。自身が参加者の場合は音楽情報も気にはするが、「やはり勝ちたい」という思いが情報への意識よりも先行するようです。
ソキウスはここでのクイズで「勝ちたい」という欲望と音楽情報の関係は、過去の回と今後の「勝利への価値」回とを結ぶ一つの線になるだろうということを示し、その接続を踏まえた場合、先ほどの回答はクイズとしての「型」をキョンがより重視していると考えてよいのかを尋ねます。
【参照:クイズ王からの難問回[前編( https://spoti.fi/3CcWr34 )、後編( https://spoti.fi/3PMzPKg )]】
これにキョンは、「ガシガシ押していく」ことが想定されるような形式であれば自身は「型」を優先しているだろうと回答したので、ソキウスはキョンの傾向に関する「極端」な例として、自身が情報を重視しているときは勝利にこだわらないのかをさらに質問。キョンはクイズの場においては「勝ちたい気持ちは当然ある」ということを前提としながらも、企画者の「意図」、そして特にその「意図」によって構成された選曲と「相性」が「絶望的に合わない」と自身が感じる場合は「勝てなくても仕方ない」と考えると返しました。この態度は、そのような「仕方ない」場面と「自分の頭の中に無いものを引き出されている」状態とをほぼイコールと捉えていることや、その際の楽曲情報とクイズのトレードオフ的なキョンの言葉(ex.情報の「吸収」、「受け流す」)からでも見てとれます。
ここでソキウスはこのキョンの考え方と、(過去の回で挙がった)「ゲートウェイ」としてのクイズ・「感性」に触れる場としてのクイズという考え方との相違点や共通点を探ろうとします。
【参照:参加者/観戦者回( http://bit.ly/41n531o )】
「感性」的な出題者の態度を「なんとなく」「後で思い出す」こともあると答えたキョンは、自身の出題の際に参加者側からの「この企画で出」ていたという反応を経たときには確かに「感性」に触れていたと言えるが、その点を重視しているとまでは言えないとのこと。この返答を受けソキウスは、キョンの中では出題者/回答者という対立軸と、(今回の場合は、音楽情報や「感性」よりも「プレイング」を「文化資本」的な観点で好むという意味での)自身への「馴染み深さ」という評価軸とが絡み合っているのではないかと考えました。
【参照:音楽生活の調査回≪対話編≫(後編)( https://spoti.fi/3nUDUQM )、音源量回(後編)( https://spoti.fi/3637Nco )】
一旦ソキウスの出題の場で「何が求められているか」と、「今後のことを考え」て「こういう性質」の楽曲を「今は出しておいたほうが良い」かをともに考えるという「TPO」を確認し、やすおにもその「TPO」を尋ねます。
やすおはフリバ形式のような「押すことを目的としている」場では情報の要素を抑えめにするだろうとしたものの、「一曲に対して個人的な思い入れがある」ような場の場合では情報の要素を前面に押し出すスタイルの方を望んでいました。ここでもやすおにおける「語る言葉」の重要性が垣間見えます。
【参照:語る言葉回( https://spoti.fi/3A3uJlH )、振返り回( https://spoti.fi/3StdGTX )】
さらにソキウスはやすおが言う「場の『目的』」が意味することについて問うと、キョンが言う意味での「形式」の違いという点では意見は違うが、「主催している人の心持ち」といった「意図」を重視する態度(ex.何らかの別のクイズの場へ向けての「対策」の場合)という点では共通していることが分かってきました。
また(自身が深く参入している文化圏の文化・作品に文化資本的な観点でより好む(≒キョンの言う「相性」)という意味での)「馴染み深さ」についてやすおに尋ねると、そのような「馴染み深さ」が自身に無いわけではないとしたうえで、馴染みが無いならば「自分で調べればいい」という「辞書的」な情報への態度を表明しました。
【本日の一曲】
毎回最後に1分以内で今紹介したい1曲を持ち回りで語ってもらう「本日の一曲」。
今回はやすおが、「オタク大歓喜」な声優シンガーの楽曲を紹介。
2人の意見が一致した「名盤」からの一曲です。
【今回のキーワード】
イントロクイズとフォロー行為/問題数/情報量/企画形式とフリバ形式/企画者の出題意図の裏読み/ルールを試す場/競技クイズ的な「プレイング」/勝利への価値/企画者の意図とその裏読み/「ゲートウェイ」としてのクイズ/イントロクイズと「感性」/文化資本と「馴染み深さ」 /語る言葉/クイズの場の目的/辞書的な情報/小松未可子