
「主の祈り」には、この世のあらゆる知恵が含まれていることがわかります。この主の祈りの「七つの願い」を理解できるとすれば、それは宇宙のより深い根源について知っている場合だけであると言えるのです。
したがって「主の祈り」を、ただ素朴に祈る場合には、その奥義を理解することはできないでしょう。また、その必要もないのです。
「主の祈り」が生まれるためには、「世界と人類の最も深い秘密」と呼べるものが、世界の包括的な知恵から言葉として形作られることが必要でした。
しかし、それが今、すでに「主の祈り」の中に含まれているので、たとえこの祈りの深さを理解するにはまだほど遠いとしても、「主の祈り」の言葉の中にはその効果が働いているのです。
しかし、それこそが真の祈りの秘密であり、それは宇宙の叡智から引き出されなければならないものなのです。そして、この祈りが、宇宙の叡智から引き出されたものであるからこそ、たとえ私たちがまだそれを理解していなくても、それは有効なのです。
祈りと神秘主義が準備するより高い段階へと昇華したときに、私たちはそれを理解することができます。祈りは神秘主義を準備させ、神秘主義は瞑想や集中を準備させ、そしてそこから私たちは霊的研究の実際の作業へと導かれていくのです。