
誰も知らないピクニックの話。それは、革命の話にも、都市における文化実践の話にも、色々とつながっていきます。話し手は、建築家の太田浩史さん。建築家でありながら、と言うよりも建築家であるからこそだと思うのですが、ピクニックの世界的(研究している人が極端に少ないとのこと)研究家でもあり、「東京ピクニッククラブ」を主宰されています。さらには、インディペンデント・キュレーターの池田佳穂さんのお話も交えて、議論はさらに深くなっていきます。
ピクニックにおいて「みんなで持ち寄る」ということが、いかに民主主義という革命の勃興を表し、そしてそれを裏打ちしていたのか。その「革命としてのピクニック」の精神性は、池田さんがインドネシアのアートシーンでの実践から学び大切にされているキュレーションのキーワードである「ノンクロン(無目的にダラダラ過ごす)」「マジェリス(時間を厭わずに話し合う)」とも重なっていきます。
このPodcastは、GAKUが東急株式会社と共催で実施しているクラス「歓待としてのキュレーション」の活動の一環として収録、配信しています。このクラスは、10代が渋谷を舞台にアートキュレーションに挑戦していく機会となりますが、同時に、このようにしてテーマに関する探求を深め、それを10代の活動とともに広く発信していきたいと考えています。引き続き、ぜひご注目ください。
ピクニックの驚くべき語源とその始まり/検閲されていた演劇と、それをかいくぐるピクニック/「破廉恥」なピクニック、男も女も共に騒ごう/「持ち寄る」ということの精神性/「ピクニックペーパー」という名前のメディアがあった/「ピクニックする権利」/都市の寛容さを計る指標にもなる/都市でだらだらすることの革命性/インドネシアのアートコレクティブとピクニックの重なるところ/時間と場所を共有することが、民意の主張になる/楽しいことの一般性/ユーモアとアクティビズム/ピクニックとベルリンの壁崩壊/ホストもゲストもない、という自由と平等/垂直ではなく水平的な関係性/「歓待としてのキュレーション」に向けて
出演:太田浩史(建築家/東京ピクニッククラブ)、池田佳穂(インディペンデント・キュレーター)、熊井晃史(GAKU事務局長)
ジングル:newtone by Mecanika [MARU-169]