
〇#6 のテーマは、ドラマトライアングル
今回は、「ドラマトライアングル」というフレームワークを手がかりに、私たちが日常や社会の中で無意識のうちにとっている「ポジション」について語り合いました。
被害者、加害者、救済者――この三つの役割は、対人関係や組織、そして社会構造のなかで、知らず知らずのうちに私たちを動かしています。
「助けたい」という気持ちが、いつのまにか他者を弱い存在として扱っていないか。
「被害者」という言葉の裏に、自分を縛る物語が潜んでいないか。
「悪者」を作ることで、私たちは何から目をそらしているのか。
ナビゲーターの行政杏奈と清水友美が、自らの経験や日々の現場での実践を通して、このトライアングルを“内面の構造”としてひもときます。
社会の変化を語る前に、自分の中の「小さなドラマ」を見つめ直す――そんな静かな時間をお届けします。
〇ことばの水脈コーナー【ドラマトライアングル】
※テーマに関連する言葉(例:レジリエンス、正義、差別、境界など)をひとつ取り上げて、その語源や歴史、文脈、誤解されやすい点などを簡単にひもとくコーナーです
この概念は心理学者スティーブン・カープマンによって提唱されたもので、ドラマトライアングルとは、人間関係を3つの典型的な役割(加害者・被害者・救済者)にあてはめて理解するフレームワークです。この三角形の構造は、個人の日常のやり取りだけでなく、組織や社会の大きな関係性にもあらわれます。
特に職場のように緊張感のある場面では、発言の端々がこのドラマトライアングルの特定のポジションにはまり、関係性の循環に吸い込まれていきます。そして、一度誰かがポジションを取ると、他の人のポジションも自動的に決まってしまう。気づかないうちに、その場の関係性のフレームワークに引き込まれてしまうのです。