
・なぜ日本の若者は3年で会社を辞めるのか?
・なぜ数十年前から問題視されているマネジメントが今でも繰り返されるのか?
・どうすれば誰も犠牲にならない組織を作ることができるのか?
・一社で終わる人生でいいのか?
そう語るのは、人事図書館の創設者・よっさん。
よっさんは東京の人形町に、日本で唯一となる「人事図書館」をオープンさせました。クラウドファンディングで多くの人の協力を得ながら、約半年をかけて実現した夢の場所。
一見すると成功者のような彼ですが、創設するまで、なんと3年間、12回の失敗を経験されています、
もがき苦しみ、長い暗闇の中で、よっさんは何を見つけたのか?
多くの起業家が経験する生々しい現実と、それを乗り越えた先にある深い洞察が隠されています。
1.就職した友達30人が消えた謎
大学院で組論を学んでいたよっさんの周りで、不可解な現象が起きていました。大学を卒業して就職した友達が次々と会社を辞めていくのです。
その数、なんと30人。しかも3年以内という短期間で。
「めっちゃやめるなって思って...企業も個人もお互いダメージを受けてるのはおかしいな」
よっさんは疑問に思いました。
なぜこれほど多くの人が職場を去らなければならないのか?
そして、その友達の一人から聞いた話は、彼の人生を大きく変えることになりました。
2.大手食品会社で起きた信じられない出来事
体育会系の大手食品会社に就職した友人が体験したのは、現代では考えられないような出来事でした。飲み会の席で服を脱がされ、ベランダに出されて、面白いポーズを取らないと中に入れてもらえない。これが実際に行われていたのです。
「そんなことやっていたら辞めるでしょって思うんですけど、でも大手の食品会社で当時は行われていたことを知ったときは衝撃でしたね」
数十年前からこういうマネジメントは良くないと言われているのに、なぜ今だに繰り返されているのか。学んできた組織作りの理論と、現実の世界があまりにもかけ離れていることに気づいたのです。
3.リクルートという修行の場
この現実を変えたい。そう決意したよっさんは、組織作りを支援する会社の中でも最も多くの事例が集まるであろう場所を選びました。リクルートマネジメントソリューションズです。
そこでの14年間は、まさに組織の最前線での修行でした。
適性検査、採用コンサルティング、研修、人事制度、アセスメント。
あらゆる角度から企業の課題解決に取り組みました。
大阪で3年半、東京で3年半、そして次第に一つの思いが募っていきます。
「日本の組織作りのパターンは大体7年ぐらい見てきた。
でももっと知りたい」
4.中国という未知の世界への挑戦
よっさんの中で、ある確信が芽生えていました。
「日本って結構キレイな国。でも人間はもっと生々しい生き物なんじゃないか」
もっと人間の本質的な部分、ドロドロとしたパワーバランスや生々しい現実を知らなければ、どんな組織でも共通する真理は見つけられない。
そう考えた彼は、迷わず手を挙げました。「海外で仕事をしたいです」
こうして始まった中国上海での3年半。
最初の3ヶ月だけで200社を回るという驚異的なスピードで、日系企業、中国系企業、欧米系企業のあらゆるバリエーションを目の当たりにしました。
5.警備員泥棒事件が教えてくれた人間の真実
中国で出会った一つのエピソードが、よっさんの組織観を決定的に変えました。ある日本企業が中国に新しいスーパーを開店した時の話です。
倉庫を守るために警備員を雇ったのに、なぜか商品が盗まれる。
調査してみると、なんと警備員自身が犯人だったのです。
「それなら警備員を2人にしよう」と考えたところ、今度は2倍盗まれるようになりました。
最終的な解決策は意外なものでした。
警備員を3人にして、「盗んでるやつを見つけたらボーナスを支給する」という仕組みを作ったのです。すると、ものがなくならなくなったというのです。
「これ日本の中だったら一番最初から起こらないだろうな。
警備員が盗んでましたっていう話があっても、そいつがおかしいみたいな話になって組織の学びにはならない」
でも人間って、そういう側面が絶対にある。
よっさんはこの時、組織作りの本質を垣間見た気がしたのです。
6.祖父への想いが生んだ使命感
よっさんの行動力の源泉は、実は幼い頃の記憶にありました。
大学教授だった祖父が、食卓で自分の研究について一生懸命話している時のこと。家族は「はいはい」と聞き流していましたが、よっさんだけは最後まで話を聞こうと決めていました。
「一生懸命やってる人が犠牲になっていくのを見るのはすごく嫌で。
だからどうしたら誰も犠牲にならないチーム運営とか組織運営ができるのかっていうのが、すごく大きな問いとしてあって」
この想いが、30人の友達の退職を見た時の憤り、リクルートでの14年間の修行、中国での200社巡り、そして現在の活動すべての原動力になっていたのです。
7.普通なら心が折れる3年間の地獄
40歳という人生の節目で会社を辞めたよっさん。
しかし彼の独立理由は、多くの人が想像するものとは全く違っていました。
「前の会社も好きだったし、やめたい理由なんてなかった。
ただ、一社で終わる人生が嫌だっただけ」という、まるで映画のような動機だったのです。
ところが現実は甘くありませんでした。
独立した瞬間、「一社じゃない人生」という目標は達成されてしまい、今度は「自分はどう生きていきたいか」という根本的な問いに直面することになります。
家族を養う責任もある中で、よっさんは必死に自分の旗を立てようと奮闘し始めました。
「これといえば吉田さんだよね」と言われるような存在になりたい。
その一心で始めた挑戦の数々は、しかし次々と失敗に終わります。
適性検査の使い方をレクチャーする事業では、あまりにも分かりやすく教えすぎて、30分のレクチャーでお客さんが「もう大丈夫っす」と帰ってしまう始末。
「小難しくやればよかったのに...」と周りからアドバイスを受けるよっさんの苦笑いが目に浮かびます。
8.12回の失敗が教えてくれたもの
「不安でしょうがないから、次々と挑戦し続けた」。
この率直すぎる告白が、よっさんの3年間を物語っています。
一つ失敗するたびに、「じゃあ旗が立つようになったか」と自問自答し、答えは常にNO。それでも40歳を過ぎ、このまま60歳、70歳になった時に「今の仕事を自分に頼むかな」と考えると、立ち止まることはできませんでした。
毎回真剣に「これで自分の旗を立ててやっていくんだ」と思いながらも、旗は立たない。普通なら心が折れてしまうような状況でも、よっさんは挑戦を続けました。その背景には、単なる成功への憧れではなく、もっと深い想いがありました。
「誰も犠牲にならないチーム運営をもっと当たり前にするにはどうしたらいいのか」。
この問いが、よっさんの心の奥底にずっとありました。一生懸命やっている人が馬鹿にされたり、自分を犠牲にして燃え尽きていく人を見るのが、どうしても嫌だった。多くの人が当たり前だと思っている「誰かが犠牲になる組織」を、本当に変えることはできないのだろうか。
9.13回目に見つけた本当の答え
12回の失敗を通して、よっさんは自分の特徴を理解し始めました。
「カチッとしたアウトプットを出すことには向いていないらしい」
「対面で会っている方が反応がいい」
「本に関しては信頼を抱きやすい」。
失敗は辛いものでしたが、同時に自分自身を知る貴重な機会でもあったのです。
そして13回目の挑戦として生まれたのが、人事図書館でした。
これは単なるビジネスではありません。
「誰も犠牲にならないで高い成果を出せるんだ」ということを、多くの人に体験してもらい、信じてもらえるような場所。よっさんが長年抱いていた想いを、ついに形にできる場所だったのです。
10.あなたにとっての13回目は何ですか?
この話を聞いて、あなたは何を感じるでしょうか。
・独立や転職を考えているけれど失敗が怖い人?
・何度も挫折を経験して諦めそうになっている人?
・40代で人生の転換点を迎えている人?
よっさんの3年間は、決して華々しいサクセスストーリーではありません。
でもそこには、多くの人が抱える不安や焦りとの向き合い方、失敗を恐れずに進み続ける勇気、そして本当の意味での価値ある人生を築くヒントが詰まっています。
「自分じゃね、なかなか気づかないんで」と謙遜するよっさんですが、彼の経験は間違いなく多くの人の心を支える力を持っています。
現代は成功事例やノウハウに溢れていますが、本当に必要なのは失敗との向き合い方と、自分らしい成功の定義ではないでしょうか。よっさんの生々しい告白と深い洞察が、あなたの明日への一歩を後押ししてくれるはずです。
今すぐこのエピソードを聞いて、よっさんの3年間の軌跡を辿ってみてください。あなたの13回目の挑戦は、もうすぐそこにあるかもしれません。