先日出かけた京橋のアーティゾン美術館、ブランクーシ「本質を象る」展で挙げられていた作家の言葉 ー真なるものとは、外面的な形ではなく、観念、つまり事物の本質であるー に、『太極拳のすすめ』で名時先生の書いている、五感を磨くことが人間に与えられた幸福には違いないが、ほんとうのもの、真実は見えるもの、きこえるもの、さわれるもの、味わえるものの奥にある、太極拳をひたすらに舞うことで、声なきを聴き形なきを視る、という礼記をひいて太極拳の楽しさを紹介した記述を思い出しました。
展示会場では垂直に天へ向かう空間の鳥の姿に、白鶴亮翅の姿が立ち上がってくるようでした。太極拳、自分の頭の中の流れや理解を体で追いかけていくのではなく、どうしたら、自身の体を支える自然に素直に動いていけるのか。本質を象る、という展覧会のタイトルは稽古を考える上でもどきっとする示唆に満ちています。
太極拳はやっぱり楽しい、太極拳のすすめの言葉に、すこし近づいたような、そんな思いになった話です。
ブランクーシ展は7月7日まで
美しい5月の風の中、お山の自然に抱かれての太極拳に、ああいつもこんなふうにいられたらなあ〜と、視線が広がり呼吸がやわらぐのを感じました。
太極拳するすぐそばの池では、蒲をのぼり飛び立とうとするトンボたちの羽化する姿を見られたのも私は初めてのことで、季節がめぐる中での一瞬の神秘に触れたようでした。
今回は新たな場所でみなさまとお会いでき、両日とも天候に恵まれ、謝天、謝地、謝人、この日この時この場にこの顔ぶれに、感謝の思いがいっぱいです。太極拳がめざす内外相合、空の晴れや曇りより、人とつながっていく和って尊いのかもと新たに学んだ機会でした。
謝謝!再見!
この春はみなさまお世話になりました。太極拳の皆さまから父のことを伺い、東慶寺で法事に際してさまざまなことを教わりました。みなさまありがとうございました。
4月から、子どもたちは入学、進級して新たなスタートを迎えました。ほっとしたこの連休の後半は、3年前からあたためていた蒜山での太極拳の会にでかけます!岡山、広島、鳥取、そして大阪や高知からのご参加とてもうれしく、お目にかかるのが楽しみです。
お悔やみやご心配の言葉を寄せていただき、本当に、やさしさに包まれる思いです、謝謝!
チャリティ講座にお集まりのみなさんと教室で太極拳をしたり、審査でみなさんの稽古の積み重ねの確かさを感じたり。体を動かすことから息が整い、心が安まりめぐっていくのを感じ、太極拳の力を感じています。太極拳に感謝
2/15,29(木) いずれも20時から21時に、マガジンハウスの雑誌『ターザン』のオンラインイベントで太極拳講座を行います。姿勢と呼吸をテーマにする1回目講座と、流れる動きをテーマにした2回目講座と。アーカイブ視聴も可能です。ぜひご参加ください https://tarzanweb.jp/post-303499
1月22日に父渋谷昭が永眠しました
父とのお別れは無事に家族で行いました
家族として誰よりも楊慧を支え、励まし、
義父名時先生、義兄進先生の太極拳を尊敬をもって支えてきた父でした
楊名時太極拳事務所やNPO法人日本健康太極拳協会の組織基盤づくりに事務方として力を尽くしました
あらためて楊名時太極拳事務所よりみなさまへお別れの儀をもつことを考えております
これまでご縁のあった皆様の生前のご厚誼に心より御礼申し上げます
あけましておめでとうございます
この度の震災に被災された地域へ心より見舞い申しあげます。
縁のある場所やお知り合いを案じて不安な思いで過ごしている方も多いことでしょう。しっかりと自分の体を支えて、ゆっくり呼吸して心の波を穏やかにととのえていく心・息・動の調和の大切さを感じております。
これから迎える春からの季節のめぐりが、さまざまな復興や再生の礎を成してていく中で、私もまた太極拳を通じて自分の務めを果たしていきたいと温めて健康・友好・平和を願う年初となりました。
認知症ケアと太極拳、という取材を受けるのを機に、私も少し、近年の英語、日本語論文をさぐって見出しやレビューを見渡してみました(中国語を入れたら、きっとさらに充実するのでしょう!)。全身で動くこと、ていねいにバランスを意識すること、深くゆったりした呼吸・・・運動や認知動作として太極拳がそなえる特徴は全て、認知機能を維持するのに役立つようですが、脳科学には不案内な私でも、太極拳が人が長く健康であるために心身を磨くのにエッセンシャルな動きであるということはよーく感じ取りました。難しいことはさておき、とするならば、太極拳が健康に良い、という長年の人類の経験を、サイエンスは必死に追いかけてエビデンスを詳らかにしようと努めている状況といえましょう。
慧先生のクラスに参加して、ちょうど稽古要諦の21番、動中求静を教わりました。名時先生が『太極拳のすすめ』で礼記をひいて、声なき声をきき形なきを求めるのは、五感を満たし、喜ぶという人の知覚の喜びの、その先を追求する最高の楽しみと紹介したという、そのような、太極拳の楽しみ。
心身を喜びでふるわせることが、命を輝かせていくのかな、そんな太極拳の楽しさや喜びを求めるとしたら、やっぱり太極拳は生涯の友だよなあと感じた2023年末。新年も、この確かな喜びを伝えていきたいです。
逝去された方へ思いを致す機会も多かった一年です。もう会えないけれど、あの方がこの場にいらしたら、とちょっとした口癖を思い起こしたり、縁をつないでくださった方やその思いをなつかしくも身近に感じるのは、楽しみの場でもあって、太極拳でつながるものの大きさを感じます。
指導員を受けるにあたって、ご自身の思いを教えてくださった方の話、ウー・ウェン先生に包子づくりを教わったニーハオ・太極拳の特別レッスンの話など。
そして、来年の目標もちょっと、そう、もうちょっと頻回に更新したいなという思い、12月から宣言します!
今夜は十三夜、澄んだ空に明るい月が満ちていくのを眺めるのがうれしい10月の終わりです。長崎へ太極拳の集まりで出かけたのですが、いろんな縁で楊名時太極拳をしている仲間がいて、それぞれにクラスの人との和や、体の心地よさや、いろんなつながりを楽しんで太極拳をしていることの力強さ、大切さを感じてました!楽しさや心地よさが人を新しい場所へ運んでいってくれること。楊名時太極拳の、きそわないこと、くらべないこと、仲間の健康を願う心、そんなマインドがじわーっと伝わって健康・友好・平和へ通じていくといいなあって。このPodcastでは、私も太極拳を通じて出会う楽しさをお話ししています、楽しいことで広がっていく人の輪って、やっぱり、いいね。
暑い夏をいかがお過ごしでしたか?お待たせしました、久しぶりのPodcast♪研修会では「きいてるよ!」とお声かけをいただいてとっても嬉しかったです。川を眺めて出かけた高山や千曲の集まりで、澄んだ流れに流水不腐を考え、顔を合わせる喜びに元気をいただきました。90代で太極拳を始めた方などすてきな先輩の姿に人生100年時代に楊名時太極拳の豊かさを感じます。敬老の日によせて、人生の先輩方と縁を結べることにあらためて感謝します。9/25月曜日20時より、雑誌ターザンオンラインイベントで太極拳講座を行います、ぜひ参加してくださいね!
6月も暮れ、一年のうちでも日が長い夏至の頃です。宮城に長野に、研修会に出かけました。県を越えての往来も増えてきて、各地で太極拳の縁を楽しむ機会がどなたにも増えてきたらいいなと思います。after sun,ラストエンペラー、映画の中で描かれている太極拳のあり方に興味がわいた話と、Tarzanの記事、MyWellnessの紹介をしています。
暦は清明の頃、4月の空気の明るさに楽しいフェスで太極拳した週末を思い出します。「ニーハオ!太極拳」と冠したプロジェクトは、坂本龍一さん主催の「健康音楽」への参加をきっかけにぐーんと進んだのでした。太極拳の楽しさや喜びを伝えたいという思いが大きくなって、そして勇気をいただきました。音楽家としてのご自身の活動にとどまらず、ジャンルに関わらず、へだてなく、ご自身が到達された広い場所へと多くの意欲を引き上げていらしたこと、ご自身の体調が苦しい中でもさまざまな復興の支援や、環境への発言などに心を配り、活動されていたこと、心より尊敬します。
優れた創作は多くの人の中で響き続けて、また新たな創作に力を与えていきます。季節がちょうどめぐる頃、はじまりにご縁のあった幸運を思っています。謝謝
春のやわらかな気分をスケッチしたような、やさしい草ちゃんのギターでお届けします。2月が過ぎていくのは本当に早い!今月は遠路を久しぶりに旅したり、東京にやってきた友人と過ごしたり、家族と過ごす時間、徐々に再開した太極拳の研修会などなんだかうれしい人の輪を感じて過ごしてきました。この15年ほどでしょうか。夫の誕生日に恒例で出かけていたお寿司屋さん、コロナ明けで3年ぶりのカウンターで磨きのかかった大将の握りに圧倒され、本当に目の端には涙がにじんでしまったのでした。十数年たっても、こんな驚きのおいしさに触れられるとは。同じことの繰り返しでなく飽かず技術を磨き高め続ける職人の道に触れたようで、こんな喜びに見合う自分でありたいと、身が引き締まるひとときでした。職人の技には遠くとも、日々繰り返す太極拳の中でも常に新しいものを求めていきたい、長く続くものにはそのあしがかりとなるものがたくさんあることが尊いなあと思います。推陳出新、名時先生の書き付けの中にも見つけた語です。中国では革命時代の刷新のスローガンとしても用いられた語のようですが、長く続く貴重なものから新しいもののあり方を見つけていく、そんな言葉かと思います。年に一度、晴れの日に行く寿司屋さん。通いつづけるご縁のおかげでおすしのおいしさにもふれられたような。縁が続くことの喜びにも触れました。
録音は大晦日の中華街のものですが、ちょうど21日は除夕、翌日の新年を前に邪をはらい福を呼ぶ獅子舞 の音からスタートします。月の満ち欠けにしたがう旧暦では、新年を迎える晩は月のない夜です。夜通し団欒して、邪をはらい福を招く、お正月の空気が届くでしょうか。寒さがもっとも厳しい中にも朝晩の陽が伸びてきたことが感じられるこの頃、新年に胸に抱くいろんな願いが陽気とともに長じて実りを結びますように。楊名時先生の「健康とは」の定義を、あらためて共有したく紹介します。『写真版太極拳』からの引用ですが楊名時太極拳友好会の愛知県支部が40年記念に作成した小冊子の最初に挙げられており、シンプルであるだけにいつも立ち返りたい言葉と感じました。
肉体的には「よく食べられ、ぐっすりと熟睡することができ、気持ちよく働ける状態」精神的には「ものにこだわらない柔軟な心をもっていること」
そして、誰もがその日のうちに疲労を解消する回復方や健康法を身につけることが必要である、と続きます。
太極拳をする者として、あらためてこの基本に立ち返り、一人一人の健康の意味やそこから広がる和について共有してまいりたいと考えました。
師範を目指すと、短くても10年かかる!時間も費用も効率よく知識や資格を獲得していくスクーリングとは、楊名時太極拳は大きく異なります。コストパフォーマンスという観点で見たら痺れを切らしてしまう人もいるのかもしれません。審査の内容も太極拳をひととおり動く、というだけで筆記試験や点数の基準もない。ただ稽古の期間だけが基準として置かれているものです。太極拳の動作や知識ではなく、時間に込められている意味ってとても大事だなあと思うこの頃。審査に向かう方には自信をもって楊名時太極拳の階位に向き合っていただきたいです。審査には時間もお金もかかるから、誰もが必須で受験をするものではないのですが、でも、審査のお声かけをするときにはもう、一緒に教室で過ごした太極拳の場を作っていらしたことでその階位にふさわしい太極拳をされていますよ、と思って申請書をお渡しします。教室で、審査を見守る仲間の存在もお互いを磨くよい太極拳の場をつくってくださる大切なもの。動きが得意な人も、知識が深い人も、そうでない人もいろんな人が一緒に場をつくっていくから高められていく心息動の調和があるはず。そんな思いで稽古を続けていくと、その先に、おのずと、その人の中に時間が育ててくれる太極拳の芳しいものが大きく開いていくのかな・・・
今回は交流大会では初めてのお披露目となった開花-為了明天-の音楽とともにお送りします。原宿へ帰ってきた太極拳全国交流大会、オリンピックやCOVIDでの中止などで代々木体育館に集まるのは本当に久しぶり。もやもや空が続いた10月も、この日はすかっと青空が広がって、公園で太極拳したのも、大会前に参加者でお稽古したのも心地よい太極拳日和でありました。大会テーマは「健康・友好」。楊名時太極拳の創始からの理念は、太極拳全体にも共有される思いなんだと心強く感じられ、初めての先導役に感じていた緊張も和らぎました。大会では李徳芳先生呉増楽先生のお二人に久しぶりでお会いしたのもうれしかった。仲間の輪が広がったり、ほかの団体とまみえたり、こんな太極拳の場が戻ってきてうれしいなーというお話です。