最初に扱う作品は、フランスの作家であるアルベール・カミュが1947年に発表した作品「ペスト」です。不条理で動かしがたい災難に対して、人はどうあればよいのか、そんなことを考えさせられる作品でもあります。 今まさにコロナで生活が思うように行かない日々の真っただ中にいる私たちに、この本は何か役に立つものを教えてくれているかもしれません。今日をどう生きるか、考えながら読みたい本です。 そして同時に、物語のドラマ性や面白さにも富み、思わず先を読み進めてしまうという一面もあります。今回はこの小説随一の魅力を持つミステリアスな人物、ジャン・タルーを追う形で語りますので、彼のファンが増え、また、皆さんが実際に本を手に取るきっかけになれば嬉しいです。