
ラジオ体操の深呼吸では、息を吸うとき身体を開き、吐くときには身体を閉じる。
ところがこれとは逆の身体操作を行なう呼吸法が存在する。すなわち、吸うとき閉じ、吐くとき開くものだ。
私は30年近くにおよぶ呼吸法研究の過程で、この「閉じながら吸い、開きながら吐く」方法の重要性に気づき、閉吸開呼(へいきゅうかいこ)と名付けた。
それは気功、瞑想、宗教行法のそこここに発見できた。身体を開いたり閉じたりする方法もあれば、意識だけを開閉するものもあり、バリエーションは豊富である。
それらは独立した練習法としてカリキュラム化されていることはまれで、型稽古の中に潜在プログラムとして内包されるケースが多い。
水の呼吸においては、「くらげ呼吸法」の一部に閉吸開呼が登場する。本書ではさらに踏み込んで閉吸開呼を単独で取り上げ、その理論と方法を整理したい。
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