
私、狸裏と黒猫と樹懶が過去にハマった作品に改めて触れ、当時のあれこれを思い出す『狸裏畑の収穫物』
第4回は、新海誠監督作品でございます。
セカイ系、というジャンルが、前期後期共にがっつりと世代であった身としては、「ポスト後期セカイ系」の旗頭としての新海監督作品は、とても鮮烈で、しかしその後味の苦さにこそ惚れ、熱狂したものでした。
あれから、早くも二〇年。『君の名は。』により、いつの間にか「我々の」から「世界の」監督になってしまった新海誠監督。どこか遠い存在になってしまった気がしていましたが、しかし今回改めて一通り作品を見直したところ、むしろ変わっていないところの方が多かった、という事に気付かされ、「変わってしまっていたのは、私の眼の方だったか」とちょっとした嬉しさと敗北感を味わうことになりました。癪だったので、本編では触れていませんが……
そして、一通り作品について述べたと思っていたのですが、あろうことか『彼女と彼女の猫』について触れるのを忘れていました。監督の作品は、基本的に全て本作の影響下にあると言っても良いのかもしれません。そのくらい、どの作品にも共通する思想の、最も濃縮された物だけで、本作は出来上がっております。
まあ、そんなことを考えながら、いつものようにポツポツ語りました。どうぞお付き合いくださいませ。