【勝利の条件】
このギデオンの勝利は歴史の中に語り継げられていて、最も弱い氏族の最も小さいものの勝利として、人々を励ましつづけているのです。
現代の社会での著しい科学技術の進歩は、目を見張るものがあります。
経済的にも巨大な産業のシステムの中に、人々はのみこまれてしまいそうになります。
教育界も、レベルアップは限りなくはかられて終わることを知りません。
そうした仕組みの中で、個人個人は無視され、疎外されていると感じられるのです。
しかし、ギデオンは、小さいものの価値、その小さいものの中に秘められた無限の可能性を奮い立たせてくれる物語を展開しているのです。
数をたのみ、量をあてにして、弱者を圧倒しようとたくらんでいる現代社会の中で、小さい個人個人の中に秘められた能力の偉大さに、私達は気づいていくべきではないかと考えるのです。
弱者の勝利ともいうべき、ギデオンの勝利と大成功をまとめてみると、次の通りになると思います。
1. 敗北を容認しない
あまりにも多くの人々が自分の弱さを認めることに寛容でありすぎます。ギデオンも、そのはじめは「ああ主よ、私にどのようにしてイスラエルを救うことができましょう。ご存知のように、私の分団はマナセのうちでも最も弱く、私は父の家で一番若いのです」といっていたのと同じことです。
2. 使命感を手にする
人生での成功の目標は、人生における使命感をつかむことだと断言しても良いほど、これは大切な事です。人生をかけて、持ちつづける使命感はそのまま、遠大な人生目標だと断言して、決して間違っていないのです。
これを確立すると、他の小さな目標の達成は非常に簡単になるという仕組みの不思議に驚かされます。
ギデオンが指導者として仰がれ、後世に名を残す事になったのも、使命感に燃えて行動した事の結果であって、それを目標にしていたら実現できなかった事でしょう。
3. 周囲の状況にまどわされない
数に対しては数で当たるというのが常識であるとすれば、ギデオンが3万人の中から300人を選んで敵と戦う事を計画したのは無謀というものです。
そこには、あらゆる批判と攻撃が味方の陣営から出たことでしょう。
しかし、目標達成のためには、強固な意志が求められるのです。だれがどのように批判しても、やり通す意志は成功者に欠かせないものです。
4. 用意周到な計画と行動力
ギデオンの300人を選んだ方法、そして、敵に奇襲をかけるときの準備の細かい配慮に感心しますが、同時に、300人で10万人の中に突入していく行動力の強さにも驚きます。
新しい時代に向かって、私たちは、成功は最も小さい者に備えられたものであることと、数を頼まない少数者の価値を再確認したいものです。ここまでくると、成功は目前です。
ギデオンの大勝利④