
皮膚瘙痒症は、発疹を認めないにもかかわらず強い痒みを生じる疾患であり、長期にわたる痒みは患者のQOLを著しく低下させます。特に全身に痒みが生じる汎発性皮膚瘙痒症は、腎不全、肝障害、血液疾患などの様々な基礎疾患に合併することが多く、その対応は困難です。
汎発性皮膚瘙痒症の痒みは一般的に抗ヒスタミン薬の奏功例が少なく、ヒスタミン以外の様々な起痒物質や神経要因が関与していると考えられています。本ガイドラインは、定義や分類を整理し、最新の知見や治療動向を踏まえて改訂されました。
最も多い原因はドライスキンであり、保湿剤の使用が推奨されます。基礎疾患がないかどうかの原因検索が重要であり、難治例ではナルフラフィン塩酸塩(保険適用に制限あり)やプレガバリン、ガバペンチンなどの使用も考慮されるべきとされています。
佐藤貴浩, 横関博雄, 室田浩之, 戸倉新樹, 椛島健治, 高森建二, 塩原哲夫, 森田栄伸, 相場節也, 青山裕美, 端本宇志, 片山一朗. 皮膚瘙痒症診療ガイドライン 2020. 日皮会誌. 2020; 130(7): 1589-1606.
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