JR221系 奈良〜JR難波.mp3
関西本線(大和路線)で録音をしました。
ーJR西日本221系についてー
車体
車体長は19,670/19,500mm(先頭車/中間車)、車体幅は2,950mm、20m級車体に片側3箇所の両開き扉(開き幅1,300mm)という、近郊形としてはオーソドックスな構成。ただし、113系・115系と比較して両端の側出入口の位置を若干車端に寄せており、制御電動車・制御車の場合は運転台直後に乗降扉が配置される。
車体は普通鋼製である。台枠は、側梁と横梁に一般構造用圧延鋼材 (SS400)、枕梁と中梁に溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材 (SMA50B) および高耐候性圧延鋼材 (SPA) を使用した溶接組立構造。側面窓に大型連続窓を採用したことから、腐食防止を考慮して外板には耐候性圧延鋼材 (SPA) を使用し、板厚は側腰板が2.3mm、幕板が1.6mmである。屋根板は、0.6mm厚のステンレス鋼 (SUS) 波板および1.6mm厚の SPA を使用し、ポリウレタン樹脂による塗り屋根としている。床には1.0mm厚のSUS波板を使用する。
床面高さはホームとの段差を小さくするために1,150mm(117系比75mm縮小)とし、屋根高さを46mm上昇、天井機器の小型化により客室高さを
2,330mm(117系比160mm拡大)とした。
種別・行先表示器
車両正面には、列車種別のみを字幕式で表示しているのみで、列車の行先を表示する装置はない。側面の行先表示器は、列車種別を回転式字幕で、行先と号車番号を発光ダイオード (LED) で表示するという独特な方式が採用された。
LEDは寿命保持のため、走行中は消灯する。種別表示は琵琶湖、JR京都・神戸線では「新快速」・「快速」ともに目立ちにくい濃い青色で表記される状態から列車種別により文字色を変える。
塗装
塗装は、「ピュアホワイト」を基本に新快速シンボルカラーである「ブラウン」とJR西日本のコーポレートカラーである「ブルー」によるコンビネーションラインを車体下部に配する。
主要機器
編成や車種構成の都合からMM'ユニット方式と1M方式の2種の主回路構成を採る形式が混在する。機構的には国鉄分割民営化後に製造された205系1000番台(MM'ユニット方式)および213系(1M方式)を基にしており、加えて耐雪ブレーキなどの耐寒・耐雪装備を備える。基本的なシステムは日本国有鉄道(国鉄)時代に新製した211系・213系に準ずるが、高密度高速運転が実施されている線区への導入を前提としていたためもあってか編成内のMT比1:1が維持され、かつ加速度も大きく設定されている。
海からの潮風の影響が考えられるJR京都線・JR神戸線での走行を考慮し、海寄り(1 - 3位側)に空制部品関係、山寄り(2 - 4位側)に電気部品関係を集中的に配置。
電源・制御機器
主制御器は、205系で開発された CS57(MM'ユニット方式)と、213系で開発された CS59(1M方式)をそれぞれ基本とする、WCS57B・WCS59C が搭載されている。制御用引き通しとしてKE96ジャンパ連結器が各車両連結面の2 - 4位寄りに設置されている。
補機用の電源として、213系 (SC22) で実績のあるブースタ方式DC-DCコンバータと3相インバータで構成された静止形インバータ (SIV) WSC23 がクモハ220形・モハ221形・モハ220形に搭載される。集電装置からの直流1,500Vを電源として三相交流440V 60Hz(定格容量130kVA)および 単相交流600V 180Hz(定格容量30kVA)を出力し、三相交流440Vに関しては1 - 3位寄りに設置されたKE5Aジャンパ連結器[* 9]を介して編成に引き通されており、後述する空気圧縮機や冷房装置、室内灯の電源となっている。単相交流600Vに関しては自車搭載の励磁装置の電源である。各車には単巻変圧器が搭載され、三相交流440Vを電源として単相交流100V 60Hzを出力する。これは、各車ヒーターなどの電源として用いられる。SIVが搭載されている車両には補助整流装置も搭載され、三相交流440Vを電源として直流100Vを出力する。モハ221形・クハ220形・サハ220形に搭載される鉛蓄電池 (AB40、容量40Ah) も直流100Vを出力する。
主電動機
713系用として開発された MT61 を基本とする WMT61S(端子電圧375V時定格出力 120 kW)および、213系用として開発された MT64 を基本とする WMT64S(端子電圧750V時定格出力 120 kW)の2種の主電動機がそれぞれ採用。これらは端子電圧は異なるが、磁気回路の工夫などにより出力特性が極力同一となるように設計されており、いずれも全界磁時には既存のMT54系と比較して低定格回転数・強トルクの出力特性を備える。
駆動システムは中空軸平行カルダンである。歯車比は211系と同じ5.19である。
空気供給装置
電動空気圧縮機は、SIV出力の三相交流440V 60Hzを電源とし、低騒音および保守簡易構造である水平対向式4気筒タイプを採用。モハ221形に WMH3093-WTC2000A(吐出し量2,075L/min) が、サハ220形・クハ220形は WMH3094-WTC1000C(吐出し量1,120L/min) が搭載され、信頼性向上のため除湿装置を設ける。
空気圧縮機によって出力された圧縮空気は、自車の元空気ダメに蓄圧される。そして編成に引き通されたMR管を通して各車の供給空気ダメ(ブレーキ系統)や保安空気ダメ(直通予備ブレーキ系統)などに供給される。
集電装置
集電装置は、JR西日本としては初の下枠交差式パンタグラフである WPS27 をクモハ221形、クモハ220形およびモハ220形後位寄りに1基搭載する。
台車
台車には円錐積層ゴムによる軸箱支持機構を備えるボルスタレス台車である DT50・TR235 を基本とする WDT50H(動台車)・WTR235H(付随台車)が採用。台車枠はプレス鋼板製の側梁にシームレスパイプを用いた横梁で構成されたH形形状。横梁内部は空気ばねの補助空気室としている。車体支持装置は、牽引梁を2本の連結器で支持したZリンク式とし、波打一体圧延車輪および両つば式密封円筒ころ軸受を採用。
基礎ブレーキ装置は、WDT50Hが踏面片押しブレーキ、WTR235Hが踏面片押しブレーキと1車軸あたり1枚のディスクブレーキを備える。
細かな差異としては、先頭車両に装着される台車の一部(クモハ221形・クモハ220形の前位側台車およびクハ221形・クハ220形後位側台車)に排障器が取り付けられているほか、モハ220形前位およびサハ220形後位側に装着される台車は側バリ端面が鉛直となっており、排障器の取り付けが可能な設計がされている。
ブレーキ
システムとしては205系や211系などと同様、制御応答性に優れる電力回生併用電気指令式空気ブレーキ方式を採用する。常用ブレーキ、非常ブレーキ、抑速ブレーキ、耐雪ブレーキおよび直通予備ブレーキの5種類を備える。
各車にブレーキ関係の機器(ブレーキ受量器〈クモハ221形・クモハ220形・モハ220形〉、電空変換弁〈電動車〉/多段式中継弁〈付随車〉、増圧電磁弁、応荷重弁など)を一体箱化したブレーキ制御装置を搭載する。電動車では、MM'ユニット方式の場合はクモハ221形に搭載されたブレーキ受量器でユニットを組むモハ221形も含めた2両分を、1M方式の場合はクモハ220形およびモハ220形に搭載され、自車のみの1両分を制御する。ブレーキ受量器で所要ブレーキ力と回生ブレーキ力を演算し、不足するブレーキ力は空気ブレーキで補足するが、ブレーキ受量器からの電気指令を電空変換弁を介して空気指令に変換し、供給空気ダメからブレーキシリンダーに加圧する。付随車では多段式中継弁で運転台からの電気指令を空気指令に変換し、供給空気ダメからブレーキシリンダーに加圧する。
冷房装置
冷房装置は集約分散式の WAU701(冷凍能力18,000kcal/h)2基を各車毎に搭載する。冷房装置 WAU701 に加えて、横流送風機、マイコン式温度調節器、自動巻き取り式フィルタおよび電気暖房機をマイコン制御により全自動運転が可能である。また、車外放送向けに放送用スピーカーを内蔵している[25]。
その他装備
連結器は1編成を1車両として運用する考え方を基本としたため、中間連結部は半永久連結器を使用。先頭車運転台寄りの連結器は117系に倣い、増解結作業の容易化のために、電気連結器・自動解結装置付き密着連結器を採用。
保安装置は、ATS-SとWATS-P。
運転台には映像音声記録装置(ドライブレコーダー)の取り付けが行われている。
警笛は、AW-2およびAW-5が先頭車両床下に搭載されている。