
このレクチャーでは、頻出の間違いについて解説します。セットアップやベンチプレスの4つのアクションで、エラーが生じると取り返しのつかない怪我に繋がるため、このセクションは必読です。
不安定な上背部とは、肩甲骨が開き、肩がすくんでいる状態です。
上背部が安定していることはベンチプレスでは欠かせない要素です。よくある間違いは、アーチを高くしすぎて上背部が不安定な状態になること。この時の意識としては、アーチはさほど高くなくて良いです。しかし、上背部はしっかりと安定させて不動の状態にしなければいけません。
レッグドライブとは、下半身が地面を押し付ける時の力のこと。
ベンチプレスをするときにレッグドライブを使えているか。安全且つ効果的なベンチプレスを行うためには、レッグドライブが絶対に必要です。積極的に足を地面に押し付けて踏ん張ることで、下半身の力を上半身に伝達させることができます。
この2つに該当する人はレッグドライブをうまく使えていません。
レッグドライブを上手に活用するためには、足の力を入れる方向を理解する必要があります。多くの人が地面方向にしか力を入れていません。そのため、お尻が過度に浮いてしまうのです。レッグドライブでは地面方向とつま先方向の2方向に力を入れること。2方向に力を入れることで、ベクトルの向きがベンチプレスの挙上角度と同じになり、効率的かつ理論的な挙上になります。
ベンチプレス初級者にありがちなのが、バーの中心と体の中心がずれているエラーです。バーベルをラックから外した時に、左右にぶれやすい人はこのエラーを見直す必要があります。
多くのトレーニーが見落としがちなのが手首の固定です。もし、あなたの手首が過度に反り返っている場合、効率的にパワーを発揮できないことが多いです。
指の第2関節が天井に向くようにバーベルを握りましょう。
手首に関しては、スポーツの経験や骨格の違いにより、細い人と太い人がいます。そのため、もし手首が心配だったり、細いと感じた時は、躊躇せずリストラップを取り入れてみましょう。
ラックからバーベルを外す時のありがちなエラーは、体幹部の安定姿勢が崩れること。安定姿勢が崩れる時は、ほとんどの場合肩甲骨が開いてしまっています。原因として考えられることは、バーベルの初期位置が高すぎるか、それともラックから外す時に過度に高く挙上しすぎているかのどちらかです。チェックしてみてください。
スポッターで姿勢崩れを防ぐ!
スポッター(補助者)を設けることで、肩甲骨が開くのを最小限に抑えることができます。肩甲骨の安定性を意識するだけでなく、背中のアーチも重要です。そのため、背中のアーチと肩関節をお尻方向に引き下げる意識の両方を動作中も常に意識しましょう。
ベンチプレスでは1レップ1レップを丁寧に行う必要があリマす。4つのアクションがあると解説しましたが、1秒かけてこのBRACEの局面では行うのを推奨します。体幹部ががっちりと固定されていることを確認して、大きく呼吸を吸い、エクセントリックフェイズ(バーベルを下す局面のこと)に入りましょう。
※ 0.5-1秒で十分です!トップポジションで2-3秒間バーを維持してしまうと、無駄な疲労を感じるだけです。一呼吸の時間だけ、BRACE局面を取るようにしよう。
バーベルを胸まで下す局面(Dscending Phase)で起こりやすいエラーは、脇を過度に開くか肘が過度に内側に入るかのいずれかです。真上から見た時の脇の角度は55-75度です。意識上では少し脇を閉じすぎかなと思うくらいがちょうど良いです。
もし片肘だけ開いたり閉じたりするときは、姿勢のどこかに問題がある証拠である。右も左も同様に肩甲骨を寄せられているか、上背部をベンチに押し付けているか、肩がすくんでいないか、などフォームの安定化を計りましょう。それでも肘の位置を矯正できないときは、軽い重量でウォーミングアップを行う時、ゆっくりとバーベルを下ろすことで、肘の可動性を高めることができます。
もう一つのエラーは、胸に触れた時にバウンドを利用することである。ベンチプレスの基本は反動は利用しません。なるべくポーズレップのように、少しでも静止した後に挙上するのを意識しましょう。
プレス動作でのエラーは、天井に垂直にバーベルを挙上することです。効果的なベンチプレスを行い、パワー出力を最大化するためには、バーベルの軌道は頭方向に押し上げる軌道です。
プレス中のもう一つのエラーは、息を吐くのが早すぎるエラーです。少なくともバーベルが半分より上に挙上された状態で息を吐く、もしくは完全に挙上しきった後に息を吐くようにしましょう。半分より下にある状態で息を吐くと腹圧が抜けて、安定姿勢が崩れやすいです。