
住友商事(8051)が2025年10月、IT大手SCSK(9719)を完全子会社化し上場廃止へ。
連結売上5,960億円・顧客1万社超を抱える“知られざるIT巨人”の決断は、守りではなく次の成長への「攻め」の一手だ。
SCSKは2012年から働き方改革を進め、8年連続で「健康経営銘柄」に選定されるなど“人を資本”とする経営を実践。コンサルからBPOまでを網羅する“フルラインアップIT企業”として、売上1兆円を目指す「共創ITカンパニー」へ進化中だ。
上場廃止の狙いは、住友商事との完全統合により意思決定を迅速化し、グループのデジタル戦略を加速させること。資本市場の制約から解放され、AI・グローバル・GXへの長期投資を強化。
自動車(SDV)、金融(AML対策)、脱炭素(ZEBiT)など社会課題解決型事業に挑むSCSKは、静かなるIT巨人から“日本の未来を共創するエンジン”へと変貌を遂げようとしている。