
1590年創業、430年以上の歴史を誇る住友金属鉱山(日本上場企業の中で第2位の長寿企業)は、「資源―製錬―材料」の三業連動を中核に据え、電気自動車(EV)と半導体産業の最前線へと突き進んでいる。
垂直統合(RSM)モデルの強みを生かし、電池材料分野における技術的課題の克服と、EV用ニッケルの世界的覇権の確立を目指す。その老舗企業の現在地とは?
財務面では、同社は堅実な財務体質を維持しつつ、積極的な株主還元策を実施し、国際会計基準(IFRS)を厳格に適用している。
経営面では、2030年に向けた長期ビジョンの実現を見据え、ガバナンスの強化とともに、持続可能な開発目標(SDGs)および温室効果ガス(GHG)削減への取り組みを明確に打ち出している。
さらに、海外での鉱山権益の取得・売却を積極的に進めるほか、東予工場では銅生産量が過去最高を記録。加えて、炭化ケイ素(SiC)基板開発企業の買収を通じて、半導体材料事業の拡大にも踏み出している。