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ボイスドラマ〜Interior Dream
Ks(ケイ)、湯浅一敏、インテリアドリーム
56 episodes
3 days ago
インテリアが家族の絆をつむぎだす・・・ハートフルな一話完結の物語を各前後編に分けてお送りします。(CV/ 男性役=日比野正裕、女性役=桑木栄美里)
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Drama
Fiction
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インテリアが家族の絆をつむぎだす・・・ハートフルな一話完結の物語を各前後編に分けてお送りします。(CV/ 男性役=日比野正裕、女性役=桑木栄美里)
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ボイスドラマ「嫁入りトラックに乗って」前編
ボイスドラマ〜Interior Dream
9 minutes 5 seconds
8 months ago
ボイスドラマ「嫁入りトラックに乗って」前編

結婚。それは人生の大きな節目であり、家族の文化や価値観が交差する瞬間でもあります。

名古屋には「嫁入りトラック」という独特の風習があります。紅白幕を張ったトラックに嫁入り道具を載せ、ご近所に菓子をまきながら、新しい家庭へ向かう――。派手で豪快なこの風習に、「そんなの時代遅れ!」と驚く若者もいれば、「昔は当たり前だったよ」と懐かしむ人もいるでしょう。

この物語は、東京育ちのハルナと、生粋の江戸っ子マサヒロ、そして伝統を重んじる名古屋の母・エミリが織りなす“嫁入り騒動”の一幕です。

「伝統って、なんのためにあるの?」「本当に必要なものって、なんだろう?」

笑いあり、涙ありの家族の物語を、どうぞお楽しみください。

◾️登場人物のペルソナ

・お嫁さん(23歳)=ハルナ・・・東京の大学時代に知り合った彼と婚約(CV:ハルナ)

・お婿さん(23歳)=ヒビノ・・・浅草生まれ浅草育ちの生粋の江戸っ子(CV:日比野正裕)

・嫁の母(44歳) =エミリ・・・名古屋生まれ名古屋育ち(CV:桑木栄美里)

【Story〜「嫁入りトラックに乗って/婚礼家具/前編」】

<シーン1/自宅リビングにて>

(SE〜戸建て/庭に小鳥のさえずり)

ハルナ: 「嫁入りトラック〜!?

ないないないない。ありえない」

エミリ: 「なにを言ってるの。

結婚するときは、菓子まきをして嫁入りトラック。

あたりまえでしょう」

ハルナ: 「そんな恥ずかしいこと、絶対にいやだぁ」

エミリ: 「恥ずかしいことなんてありません。

みんなやってるんだから」

ハルナ: 「うえ〜ん。あなたも、なんか言ってよぉ」

マサヒロ: 「あのう、おかあさん。

新居のアパート、前の道は細いのでトラックなんて入れないかも・・」

エミリ: 「まだあなたから”おかあさん”と呼ばれる間柄じゃありません!」

マサヒロ: 「す、すいません」

ハルナ: 「あやまらないで〜。しっかりしてぇ。江戸っ子でしょ」

エミリ: 「あなたには名古屋の文化を一度教えてあげないといけないわね」

マサヒロ: 「は、はい」

ハルナ: 「はい、じゃない」

エミリ: 「名古屋人はね、普段は倹約をしてつましく暮らしているの。

だけど、いざというとき。

例えば、娘を嫁にだすときね。

嫁ぐ娘に惨めな思いをさせないために

一生分の荷物を持たせて送り出すのよ。

それが、尾張徳川家のお膝元、名古屋の嫁入りなんです」

ハルナ: 「それ、江戸時代の話でしょ」

エミリ: 「とにかく!

嫁入りするときは紅白幕の嫁入りトラック!

道が細かろうとなんだろうと新居までたどり着きます!」

マサヒロ: 「う・・・」

エミリ: 「これも覚えておきなさい・

嫁入りトラックっていうのは、どんなに道が細くても、前進あるのみ!

間違ってもバックなんてしませんから!」

ハルナ: 「雨降ったらどうするのよ」

エミリ: 「ハレの日に雨なんて降りません!」

<シーン2/家具屋さんにて>

(SE〜家具屋さんの商談デスクにて)

エミリ: 「絶対にダメです!

桐箪笥と三面鏡と羽毛布団。

この3つがなくて、娘を嫁に出せますか!」

ハルナ: 「だーかーらー、江戸時代じゃないんだって。

          新居だって、戸建てじゃなくて小さなアパートなんだから」

マサヒロ: 「あ、おかあさん。

実は新居には作りつけの収納もあるんです。

それに狭い2DKなんで、箪笥やドレッサーはちょっと・・」

エミリ: 「だからまだ”おかあさん”と呼ばないで!」

マサヒロ: 「す、すいません」

ハルナ: 「毎回謝るなっつーの」

エミリ: 「私も、私の母も、そのまた母も、代々み〜んな

名古屋で生まれ、名古屋で育ったんです。

東京もんの余所者に、名古屋のしきたりについて

あれこれ言われたくありません!」

マサヒロ: 「は、はい」

ハルナ: 「ちょっとぉ!しっかりしてよ!江戸っ子なんでしょ」

マサヒロ: 「そんな、君まで江戸っ子とか、時代劇みたいなこと言わないでよ」

エミリ: 「ごちゃごちゃ言ってないで。

ああ、お父さんが生きてたら、こんな、余所者にバカにされることなんて

なかったのに。よよよ・・・」

ハルナ: 「やめてよ、おかあさん。

家具屋さんも困っちゃってるじゃん」

エミリ: 「あらそう、家具屋さん。

じゃあさっきの桐箪笥、もういっかい見せてちょうだい」

ハルナ: 「あ〜あ。

ん?ちょっ、おかあさん、これ。よく見てこれ」

マサヒロ: 「お、おお」

ハルナ: 「この値段、わかって言ってるの!?

桁間違えてない?」

エミリ: 「笑止。なに言ってるんだか。

これは一枚板の桐無垢なの。

あなたの孫の代まで使える逸品なのよ」

マサヒロ: 「へえ〜」

エミリ: 「さああなた。

引き出しを開けてみなさい」

マサヒロ: 「は、はい」

ハルナ: 「なに、言うこと聞いてんのよ」

マサヒロ: 「だって・・・」

(SE〜引き出しをすうっと開けて、すうっと閉める=音はしないかも)

マサヒロ: 「うわ、すごい」

エミリ: 「でしょう。

引き出しの中に服がぱんぱんに入ってても、

すう〜っと入って、ふわっと出てくるのよ」

マサヒロ: 「ほう〜」

ハルナ: 「感心しないで」

エミリ: 「最高級の桐箪笥だから釘なんて一本も使ってないでしょ」

マサヒロ: 「ほんとだ」

エミリ: 「凹凸の楔を組み合わせて作ってあるの」

マサヒロ: 「そうなんだぁ」

エミリ: 「それに、名古屋の夏は蒸し暑いでしょ」

マサヒロ: 「はい、ちょっとびっくりしました」

エミリ: 「湿度が高いと、服って傷みやすいのよ。

でもね、桐の箪笥は呼吸をしてるから」

マサヒロ: 「呼吸?」

エミリ: 「そうよ。呼吸をする。つまり生きている桐は

箪笥の中の湿度を一年中一定に保ってくれるのよ」

マサヒロ: 「中にしまった服を守ってくれるんですか」

エミリ: 「そうよぉ」

ハルナ: 「もう〜。感心してる場合じゃないでしょ。

値段をもっと見なさい。値段を」

マサヒロ: 「江戸っ子はね、お金にこだわらないんだよ」

エミリ: 「ほお〜」

ハルナ: 「あなた、どっちの味方なの!?」

マサヒロ: 「別に敵味方じゃないでしょ。家族になるんだから。

おかあさんと家具屋さんの話も聞いてみようよ」

エミリ: 「あなた、なかなか話せるじゃないの」

マサヒロ: 「申し訳ありません。出過ぎたことを言って」

ハルナ: 「ほんとにね」

エミリ: 「いい加減にしなさい」

マサヒロ: 「ほかにもあるんですか?」

エミリ: 「嫁入り道具〜?もっちろんあるわよ」

ハルナ: 「ちょっとちょっと。油注いでるって」

エミリ: 「こっち来て。見てみなさい」

マサヒロ: 「三面鏡・・ですか?」

エミリ: 「そう。三面鏡。

鏡はね、正面と右、左にないとだめ」

マサヒロ: 「どうしてですか?」

エミリ: 「着物を着るとき。

三面鏡でないと、後ろの襟元や帯が見えないじゃない。

裾が左右対称になってるか、シワやたるみがないか。

せっかく素敵な着物を着ておでかけしても

後ろ姿が整ってなきゃ台無しでしょ」

マサヒロ: 「なるほど」

ハルナ: 「ふん、着物なんて着ないからいいもん」

エミリ: 「着るわよ」

ハルナ: 「どこで?」

エミリ: 「あなたに子どもが生まれたら?

七五三はお着物でしょ。

入学式に卒業式。

小学校。中学校。高校。大学もかしら」

マサヒロ: 「そうですね」

エミリ: 「成人式は、振袖に訪問着。

親子で着物なんて素敵ねえ。

そのうち、いまのあなたみたいに未来の夫を連れてきて。

結納。結婚式。

着物で行くでしょ」

ハルナ: 「あ・・」

エミリ: 「それから・・・

私のお葬式」

ハルナ: 「やめてよ!」

■BGM〜「インテリアドリーム」

エミリ: 「嫁入り道具も、トラックも、菓子まきも

み〜んな、あなたに幸せになってほしいから」

ハルナ: 「やめてよ・・・」

マサヒロ: 「ありがとうございます、おかあさん!」

エミリ: 「まだ、おかあさんじゃないでしょ」

マサヒロ: 「はい、すみません」

エミリ: 「女手ひとつでわがままに育てちゃったから

きっと手はかかると思うけど、よろしくお願いします」

マサヒロ: 「はい!

かならず、かならず、娘さんを幸せに。

約束します!」

ハルナ: 「やめてよ、あなたも・・・」

マサヒロ: 「僕からもお願いしていいですか?」

エミリ: 「なあに?」

マサヒロ: 「嫁入りトラック、ぜひお願いします!」

ハルナ: 「え・・・」

エミリ: 「いい人見つけたね。

あとは、あなたたち2人の人生。

悔いのないように生きなさい」

ハルナ: 「ありがとう・・・」

(※以下同時に)

ハルナ: 「おかあさん!」

マサヒロ: 「おかあさん!」

ボイスドラマ〜Interior Dream
インテリアが家族の絆をつむぎだす・・・ハートフルな一話完結の物語を各前後編に分けてお送りします。(CV/ 男性役=日比野正裕、女性役=桑木栄美里)