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ボイスドラマ〜Interior Dream
Ks(ケイ)、湯浅一敏、インテリアドリーム
56 episodes
4 days ago
インテリアが家族の絆をつむぎだす・・・ハートフルな一話完結の物語を各前後編に分けてお送りします。(CV/ 男性役=日比野正裕、女性役=桑木栄美里)
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Drama
Fiction
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インテリアが家族の絆をつむぎだす・・・ハートフルな一話完結の物語を各前後編に分けてお送りします。(CV/ 男性役=日比野正裕、女性役=桑木栄美里)
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ボイスドラマ「風立ちぬ」前編
ボイスドラマ〜Interior Dream
12 minutes 49 seconds
9 months ago
ボイスドラマ「風立ちぬ」前編

新しい環境、新しい出会い——春は希望と不安が入り混じる季節。
主人公は新社会人として養護老人ホームで働き始めたばかり。そこで出会ったのは、ポール・ヴァレリーの詩を口ずさむ老人でした。
仕事に追われ、睡眠不足と戦いながらも、彼女は前へ進もうとします。日常の中で見つけた、小さな「気づき」が彼女を大きく成長させていく——。
「風立ちぬ。さあ生きねばならぬ」
この言葉が彼女の心をどのように支えていくのか—

【登場人物】

・女性(22歳)・・・この春から新社会人一年生。養護老人ホームで働きながら来年社会福祉士の資格をとり、市の社会福祉協議会へ転職したいと考えていたが・・(CV:桑木栄美里)

・老人(70歳)・・・5年前に長年勤めた不動産会社を定年退職。古希を迎えたのを機会に娘夫婦のすすめで養護老人ホームへ入居したが・・(CV:日比野正裕)

<シーン1/老人ホームのエントランスロビー>

(SE〜老人ホーム=病院のガヤと朝の小鳥)

彼女: 「おはようございます!」

◾️BGM/

彼女: 養護老人ホームのエントランス。

掃除の行き届いたロビーを通って 今日も元気に出勤する。

老人: 「お、今朝も元気だねえ」

彼女: 「あ〜、元気だけがとりえだって思ってるんでしょ」

老人: 「ちゃうちゃう。今日も元気をもらえて若返るなあってこと」

彼女: 「やだ、私の若さを持ってかないで〜」

老人: 「あはははは。

風立ちぬ。さあ生きねばならぬ」

彼女: 入居者の中で一番若いおじいちゃん。

いつもポール・ヴァレリーの詩を口にする。

この春入居したばかりで 元気いっぱい。

私も今年卒業して 施設で働き出した新人だから

なぜか気が合うんだなあ。

だけど・・・

実は、元気がいいのは朝の出勤時だけ。

夕方近くなってくると だんだんテンション下がってくるんだよね。

肩と腰の疲れもピークになってくるし。

これって・・・五月病?

あ〜ん。もう〜だめだめ。そんなこと考えちゃ。

気持ちだけでもテンションあげてかないと。

にしても・・・

やっぱ疲れの原因は睡眠不足かなあ。

いやいや。

睡眠不足だから五月病になるわけで・・・

あ〜。

どっちにしても負のループ。断ち切らないと。

老人: 「今日は早番かい?」

彼女: 「そうよ〜、この笑顔を見られるのも夕方までってこと」

老人: 「まあ、毎日一生懸命で疲れているだろうからな。

残業なんかはせずに帰ってゆっくり休みなさい。」

彼女: あ。

やっぱりわかっちゃうのかなあ。

疲れは顔に出るもんねー。

とはいえ 私にはちゃんと目標がある。

1年間老人ホームで働きながら勉強して、

来年、社会福祉士の資格をとる!

合格率30%という 難関の資格だけど、がんばらなくちゃ。

私が卒業した四年生大学は、福祉系じゃなかったからね。

どうしても 1年以上の実務経験が必要になってくるんだ。

施設に入ったら すぐに初任者研修を受けて、いまはヘルパー。

社会福祉士になったら、市区町村の社会福祉協議会で働くつもり。

介護を受けたい人の相談を聞いて、少しでもお役に立ちたい。

まあ、今の仕事も同じだけどね。

老人: 「あ、来年の社会福祉士試験のこと、考えてるな」

彼女: 「なあに言ってるの?」

老人: 「頑張るんだよ。応援してるから」

彼女: 「ありがとう」

彼女: こう言われるたびに うるっとしちゃう。

それを気づかれないようにして、食堂へ急いだ。

ラジオ体操のあとは 食事の介助。

みんなが朝食後 食卓でくつろいでいる間に お部屋を掃除する。

あら〜、入居者のベッド、だいぶんヘタってきてるなあ。

所長は新しいベッドに買い替えなきゃって言ってたけど

50人分もあるから大変だわ。

腰が痛い人、肩こりがひどい人。

柔らかいマットレスがいい人、硬いマットレスじゃないと眠れない人。

高い枕が好きな人、低い枕しか受け付けない人。

もう、たいへん。

みんなのリクエストに答えることができるのかなあ。

それと気がかりなのは、私自身、最近ひどい不眠症。

仕事はやりがいがあるけど、時間が足りなくて。

なのに 働き方改革で早く帰りなさいって言われるし。

ストレスがどんどん溜まっていく。

なんとかしないといけない。

<シーン2/インテリアショップ>

(SE〜インテリアショップのガヤ)

彼女: 「え?そうなんですか!?」

仕事帰りにふらっと立ち寄ったインテリアショップ。

ベッドコーナーで スリープアドバイザーに相談したら・・・

彼女: 「枕やマットレスが 不眠の原因になっているかも?」

そういえば、朝起きたら腰が痛かったり、

寝てるとき寝返りばっかりうってるかも。

ここんとこずうっと、ぐっすり眠れたことなんてないもの。

スリープアドバイザーは 測定器で 私の頭の形を 正確に測ってくれた。

あ、確かに首の深さに対して、今の枕は高すぎるかも。

彼女: 「ポケットコイル?」

最近よく聞くようになった、マットレスの素材名。

体圧分散性?どういうこと?

寝ているときに体にかかる圧力を分散する?

ゴツゴツした感じじゃなくて、包み込むような感じ?

へえ〜。

硬さも選べるんだ。

私は少し硬めがいいな。

お、私の給料でもなんとか買えそうだわ。

5年保証もついてるし。

よし。これに決めよう。

睡眠は 人生の1/3。

貴重な時間を 睡眠不足なんかで無駄にはできないもの。

私の人生を豊かにするためのベッドってこと。

あ、ちょっと待って。

これ、老人ホームのみんなにもいいんじゃない?

こんなベッドなら、腰だの肩だの痛いって人にもいいかも。

私はすぐに所長に連絡を入れた。

<シーン3/老人ホームの食堂>

(SE〜老人ホーム=病院のガヤ)

老人: 「ありがとう。おかげでぐっすり眠れるようになったよ」

彼女: 「ホント?よかったあ」

老人: 「朝起きたときに、体が疲れてないってのはいいもんだな」

彼女: 「実は私もなんです。

枕とマットレスを変えてから 五月病も吹っ飛んじゃった」

老人: 「なんだ、五月病だったのかい?」

彼女: 「あ、しまった」

老人: 「あんたはちゃんと目的を持ってるから。

五月病なんかには負けるわけがないよ」

彼女: 「やだなあ。買いかぶりすぎだって」

老人: 「そんなことはないさ。

だって、来年の今頃はここにはいないんだろ」

彼女: 「うん・・・」

老人: 「社会福祉士になって」

彼女: 「うん・・・」

老人: 「役場や役所で」

彼女: 「うん・・・」

老人: 「高齢者や病気の人の相談にのってくれるんだろ」

彼女: 「うん」

老人: 「なんてたっけなあ、えっとソーシャル・・・ソーシャル・・・」

彼女: 「ソーシャルワーカーよ(笑)」

老人: 「おうおう、そう、それそれ。

その、なんとかワーカーになって走り回ってほしい」

彼女: 「もう(笑)」

老人: 「ここからいなくなっちゃうのは寂しいけど

み〜んなあんたのこと、応援してるからな」

彼女: 「ありがとう。がんばる」

老人: 「まあ、もう一年くらい先延ばしにしてもらってもかまわんけどな」

彼女: 「先延ばしになんてしません。ぜ〜ったい 来年受かってみせるから」

老人: 「そうそう。その意気その意気」

彼女: 最近 入所者のみんなと話をすると必ずこの話になる。

応援してくれるのは嬉しいけど、プレッシャーも大きいんだぞ。

な〜んて 口が裂けても言えないけどね(笑)

老人ホームのみんなに背中を押されて

仕事と勉強の 春夏秋冬が 通り過ぎていった。

<シーン4/老人ホームの朝の風景>

(SE〜老人ホーム=病院のガヤと朝の小鳥)

彼女: 「おはようございます!」

老人: 「やあ、おはよう」

彼女: 「なあに?ニヤニヤして。

私の顔になんかついてる?」

老人: 「いやいや、ちょっと、こっちへ来てくれないか」

彼女: 「え〜。

これから申し送りしなきゃいけないし、レクの準備もあるから」

老人: 「いいからいいから、はいこっちきて」

彼女: 「どこ行くの?

そっちはデイルームじゃない?」

老人: 「そうだよ。さ、中入って」

彼女: 「もう・・・」

(SE〜扉を開ける音「ガラガラガラ〜」)

彼女: 「あ」

全員: 「おめでとう!」

(SE〜20〜30人くらいの拍手)

■BGM〜「インテリアドリーム」

老人: 「晴れて社会福祉士だな」

彼女: 「そっかぁ・・・合格発表今日だったんだ」

老人: 「なんだなんだ。こんな大事な日を忘れてたって?」

彼女: 「だって、毎日バタバタだったんだもの」

老人: 「おい所長、聞いてるか。

こき使いすぎじゃないか〜」

彼女: 「え・・所長もいたの!?(笑)」

入所者の輪の中から所長が恥ずかしそうに顔を出す。

デイルームには 風船やら紙テープやらで

手作りの装飾がほどこされている。

中央の窓際には、横断幕に、

『社会福祉士おめでとう!』の筆文字。

ああ、そういえば書道の有段者もいたんだった。

老人: 「昨夜(夕べ)、消灯時間超えてまでみんなで作ったんだよ」

彼女: 「だめじゃない。そんなことしちゃ。

定時の見回りとかこなかったの?」

老人: 「いや、所長さんも一緒になって手伝ってくれたから」

彼女: 「ええっ?」

頭をkきながら、所長が入所者たちと一緒に笑っている。

老人: 「風立ちぬ。さあ生きねばならぬ」

彼女: そうね。

やっぱり、もう少しだけここで生きていこうかな。

ボイスドラマ〜Interior Dream
インテリアが家族の絆をつむぎだす・・・ハートフルな一話完結の物語を各前後編に分けてお送りします。(CV/ 男性役=日比野正裕、女性役=桑木栄美里)