
今回は、彫刻家ソトウエツロー氏の著書『ガウディの伝言』を解説します。天才建築家アントニ・ガウディの最高傑作サグラダファミリアは、なぜ設計資料の多くが焼失したにもかかわらず建設が続くのか? その答えは、図面(二次元)に頼らず、模型(三次元)と思考で建設を進めたガウディ独自の革命的な方法にありました。彼は職人たちを「想像的パートナー」と呼び、自然の法則(カテナリー曲線など)を「逆さ吊り実験」で発見し、建築に取り入れました。機能・構造・象徴が融合した「石の聖書」とも呼ばれる大聖堂の秘密と、ガウディが残した「人間は発見者である」という現代にも通じる深いメッセージに迫ります。