
今回はGMのもう一つの強力なエンジン、天才発明家チャールズ・“ボス”・ケタリングにスポットライトを当てます! 彼がいなければ、20世紀の私たちの生活は、全く違ったものになっていたかもしれません。
「キーをひねればエンジンがかかる」…今では当たり前の自動車のセルモーター。これを実用化し、自動車を一気に身近なものへと変えたのが、若き日のケタリングでした。
当時の常識「クルマは黒が当たり前」を覆し、GM車をカラフルで魅力的に変身させた奇跡の速乾性塗料「デュコ」。家庭の冷蔵庫やエアコンを安全で便利なものへと進化させた冷媒「フロンガス」。そして、アメリカ大陸を駆け抜ける鉄道の風景を一変させ、高速化と効率化をもたらした高性能「ディーゼルエンジン」と、伝説の列車「パイオニア・ゼファー号」のドラマチックな物語。
しかし、そんな「発明王」にも、社運を賭けた「空冷エンジン」開発での大きな、大きな挫折がありました。その壮絶な失敗から彼は何を学び、GM、そしてスローン社長はどう対応したのか? 「999回失敗しても、1回成功すれば良いんだ」という彼の不屈の精神と、「人々の役に立つこと」を何よりも大切にした発明哲学の源泉とは?
アルフレッド・スローンの絶大な信頼という翼を得て、チャールズ・ケタリングがいかにしてGMの技術的優位性を不動のものとし、次々と「未来の当たり前」を創造していったのか。そこには、技術開発の面白さ、不可能を可能にする挑戦の興奮、そして天才を活かすマネジメントの極意が詰まっています。ケタリングの驚くべき発明の数々と、その知られざる物語を、どうぞお楽しみください。
参考書籍
番組で取り上げた書籍紹介
https://www.valuebooks.jp/shelf-items/folder/84676b46a574170