
この学術論文は、乏突起膠細胞が軸索の生存と機能を、髄鞘形成とは独立したメカニズム、具体的にはモノカルボン酸トランスポーター1 (MCT1)を介した乳酸の輸送によって代謝的に支援しているという新しい基礎メカニズムを提示しています。研究者たちは、MCT1が乏突起膠細胞に高濃度で存在し、このトランスポーターの機能が破壊されると、動物モデルや細胞培養モデルで軸索の損傷とニューロンの損失が生じることを示しました。さらに、筋萎縮性側索硬化症 (ALS)の患者とマウスモデルにおいてMCT1の発現が低下していることが示され、この輸送経路の障害がALSの病因に関与している可能性が示唆されています。全体として、この研究は、乏突起膠細胞がニューロンと軸索を支援する極めて重要な代謝的役割を定義しています。
Nature. 2012 Jul 26;487(7408):443-8. doi: 10.1038/nature11314.
Oligodendroglia metabolically support axons and contribute to neurodegeneration
Y Lee et al
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22801498/