
◆要約
近年、小児肥満が世界的に深刻な問題となっています。ランセットの報告によると、現在の5〜14歳の肥満者数は約9,000万人おり、2050年にはほぼ2倍になると推計されています。特に貧困層では、安価で高カロリーな超加工食品への依存が高く、肥満リスクが増加しているのではと懸念があります。また、子どもの運動習慣の減少や、コロナ禍によるライフスタイルの変化も影響しています。今後は、食事・運動・社会環境を包括的に見直し、エビデンスに基づいた健康政策が求められます。
◆今回のトピック
・小児肥満の現状と今後の推計(2050年に倍増?)
・貧困と肥満の関係──超加工食品の影響
・運動不足とライフスタイルの変化(ゲーム・コロナ禍の影響)
・各国の対策──肥満税や食品規制の有効性
・ヘルシーブームと健康リテラシーの課題
・今後求められるエビデンスベースの健康政策
◆参照情報
・Global, regional, and national prevalence of child and adolescent overweight and obesity, 1990–2021, with forecasts to 2050
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(25)00397-6/fulltext
・幼児肥満ガイド
https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=110
・財務省、脂肪税の廃止を発表(デンマーク)
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_000721.html
・WHO アメリカが脱退表明 感染症への国際的な備えに影響も懸念
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250130/k10014707371000.html
・日本人のヘルスリテラシーは低い