
コリント人への手紙第一16章13節
「目を覚ましていなさい。堅く信仰に立ちなさい。雄々しく、強くありなさい。一切のことを、愛をもって行いなさい。」
コリント人への手紙第一は全部で16章ありますが、最後の章はパウロの他の書簡同様に、個人名をあげて挨拶を送るという形を取っています。15章までに書かれていた神学的に重厚な内容ではありませんので、つい読み流してしまいそうになりますが、この章もまた聖書の一部であり、神の言葉です。しっかり読んでいきたいものです。パウロがあげた個人名を一人一人見てみると、パウロ自身が決して一人で信仰生活を送ったのではないことがよく分かります。パウロは多くの人たちと共に祈り合い、励まし合い、共に労苦し、共に奉仕し、機会あるたびにイエスキリストを宣べ伝えました。特に愛弟子のテモテ、同僚のアポロ、またパウロと同じ天幕づくりの仕事をしていたアキラとプリスカ夫妻の存在は、どれだけパウロの支えになっていたことでしょうか。
信仰の歩みは決して一人でしていくものではありません。私たち人間は一人で生きていくように創造されていないのです。人間は「人の間」と書くように、多くの人たちとの関わり合いの中で生きるように召されています。日本人の中には、家族の中でクリスチャンが自分一人だけ、親戚も誰もクリスチャンじゃないという環境の中にいる場合が少なくありません。また近くに教会がなく、一人で信仰を守っている方もおられます。そのような方々の信仰の戦いがどれほど大変なのか、想像に難くありません。もしあなたがそのような環境にいらっしゃるのであれば、神があなたに信仰の友を与えてくださいますように。直接会って信仰を分かち合ったり祈ることが困難であれば、ネットや他の媒体を通して、主にある交わりが実現しますように。
最後の挨拶を送るにあたり、パウロは、今日の聖句を付け加えました。こう書いています。「目を覚ましていなさい。堅く信仰に立ちなさい。雄々しく、強くありなさい。一切のことを、愛をもって行いなさい。」コリントの教会がそうであったように、サタンは絶えずクリスチャンを誘惑し、罪を犯させ、誤った教えを吹き込み、神から引き離そうと巧みに働きかけます。私たちにできることは、目を覚まし、堅く信仰に立つことです。しかし、これを自分の力や努力だけで行おうとすると、たちまちサタンの餌食になってしまうでしょう。自分で戦うのではなく、神に委ねましょう。神は聖霊で私たちを満たし、サタンの攻撃に打ち勝つ力を与えてくださいます。そしてできる限り他のクリスチャンと信仰を共有し、共に戦いましょう。そうすることで雄々しく、強く進むことができます。そして、「一切のことを、愛をもって行いなさい」とあります。13章でパウロが強調したように、どんなに強い信仰があっても愛に基づかなければ無意味です。愛こそあらゆる行いの基本です。あなたの言葉、あなたの行動には愛がありますか。独りよがりの言動になっていませんか。自己弁護のための行動、自分を認めてほしいための行動になっていませんか。イエスが示された無条件の愛をお手本に、どんな人にも愛をもって接することができるように、今日も神さまに委ねて行きましょう。