
コリント人への手紙第一10章31節
「こういうわけで、あなたがたは、食べるにも飲むにも、何をするにも、すべて神の栄光を現わすためにしなさい。」
今日は、いつもより遅い時間からの配信になりますがご了承ください。
さて、あなたは毎日食べる食事のメニューをどのように考えていますか。専業主婦の方など、毎日食事作りを担当している人であれば、栄養の偏りがないように工夫したり、家族に持病を抱えた方がいるなら、それに合わせたメニューを考えたりするのではないでしょうか。もちろん、最近は物価高の影響がありますので、とにかくできるだけ安い食材を買ってきて調理をするという方もいらっしゃるでしょう。私はかつて何回かダイエットにチャレンジしたことがあり、その時はかなりストイックにカロリー制限をし、今よりだいぶスリムな体系でした。
旧約聖書のレビ記には、聖い食べ物と汚れた食べ物が大変細かく分類され、汚れた食べ物を食べてはならないとしています。例えば、ひづめが分かれ、かつ反芻する動物は食べていいのですが、それ以外の動物、たとえば豚は食べてはいけません。また魚はひれや鱗のないものは食べられないので、なまずやたこなどだめです。今でも多くのユダヤ人は厳格にこの食事規定を守っています。
では、新約聖書にはどう書かれているでしょうか。初代教会のリーダーはイエスの直接の弟子たちでしたが、彼らはみなユダヤ人であり、最初の頃は食事規定を守っていました。ところがある時ペテロに決定的な出来事が起こります。こんな夢を見ます。自分の目の前に、あらゆる汚れた生き物が出されるのです。「こんなものは食べられない」と拒否したペテロに対して、声が聞こえます。「神が聖めたものを、あなたが聖くないと言ってはならない」という声です。そこでペテロは目を覚まします。
実はこの出来事は神からの啓示でした。当時ユダヤ人は異教徒である外国人との交わりを厳しく制限していましたが、神は民族によってご自身の恵みを制限したり、救いの道を閉ざすことはなさらないとメッセージを送ったのです。ペテロはこの出来事以来、異邦人にも積極的に接するようになり、パウロの異邦人伝道にも大きな影響を与えました。
神は食事規定の撤廃というインパクトのある夢を通して、ペテロの中にある民族差別の壁を取り除いてくださったのですが、この食事規定の撤廃は、文字通りに実現します。異邦人伝道の最前線に立ったパウロは、常にユダヤ教的律法とキリストにある自由との間に立って、イエスの十字架を通して救われ解放されたことの意義を強調しました。幾つかの書簡で食事のことについても触れ、私たちはもはや律法に縛られることなく、良心の自由に従って食事をしていいのだ、と書き送りました。
今日の御言葉は、そのまとめです。「あなたがたは、食べるにも飲むにも、何をするにも、すべて神の栄光を現わすためにしなさい。」何を食べるかではなく、何の目的で食べるのかが大切であると語りました。日々の糧が与えられていること、これによって健康が支えられていることを心から神に感謝して食事をすることが大切なのです。今日も感謝と喜びをもって与えられた食事をいただきましょう。