
評論家/音楽ディレクターの柴崎祐二と漫画家の川勝徳重が、最新流行現象から遠く離れ、音楽、漫画、映画等いにしえのカルチャーについてあれこれお喋りする「あなくろ」ポッドキャスト。反時代的態度こそが前衛となるこの奇妙な時代に贈る、刺激的(教養?)エンタテインメント。
第三回は「好きな評論家」について。二人の表現の原点にある評論家とその作品との出会い、そしてそこから何を汲み上げ自らの制作に落とし込んできたかが語られます。
随談は二人の問題意識と創作態度を浮き彫りにし、やがて究極の作家倫理の問題へ……。
【目次】
美術評論が出発点/評論と対象のずれ/ディスクガイドがわりの評論/『意味という病』(柄谷行人)との出会い/「自分が知らないことをたくさん知ってる変なおじさん」が大好き/中村とうようの濁流のような知識量/評論家・柴崎祐二の誕生/野田努の凄みと影響/松岡正剛の比喩/クラシック音楽を聴くと、西洋思想の潮流が分かる/ポップミュージック批評の宿命/見田宗介の剛腕/四方田犬彦による小熊英二批判/同時代の文化に励まされた経験がない/『ハイスクール1968』と空音央『HAPPYEND』/四方田犬彦との遭遇/「日本人が西洋の音楽をやる」ということ/ナショナリスティックな動機で漫画へ/日本人としてアジアとどう向き合うか/汎アジア主義の残滓/折りたたまれたオリエンタリズム/「ひたすら降り続ける」こと/川勝徳重のラディカリズム/「ワールドミュージック」の来歴と変遷/「周縁」が消えてゆく時代/権威になったポップスとロック/個別具体からの発想と制作/興味のある時代の空気にダイブする/実作者の責任の取り方/コスパとタイパを馬鹿にするなかれ/いつだってアーリーアダプターだった/紹介者としての評論の重要性/「代わりに読む」ということ/90年代の夏目房之介と『つげ義春漫画術』/文章家としての上野千鶴子と柄谷行人/トム・ウルフ『そしてみんな軽くなった』/良い読者になりたかった/「スタイルがある」ということ/幸田露伴のですます体/音読しながら推敲する/書いてきたものの方が本当の自分/究極の作家倫理/次回テーマ「好きなジャズ」
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