
評論家/音楽ディレクターの柴崎祐二と漫画家の川勝徳重が、最新流行現象から遠く離れ、音楽、漫画、映画等いにしえのカルチャーについてあれこれお喋りする「あなくろ」ポッドキャスト。反時代的態度こそが前衛となるこの奇妙な時代に贈る、刺激的(教養?)エンタテインメント。
第二回は戦後の漫画復刻本の系譜に始まり、様々なジャンルでカルチャーの前進を駆動してきた「リバイバル」の力学と様相をめぐる随談。
【目次】
初回配信後の反響/日本漫画における復刻本の系譜/マニアたちによるリバイバルの動き/勝川克志と「跋折羅(バサラ)」/「漫画読本」(文藝春秋)の時代/西岸良平と細野晴臣/手塚漫画の変容と劇画の興隆/リバイバルの揺籃としての古書文化/漫画誌のエリーティズム/文化エリートと大衆によるリバイバルのダイナミズム/リライトする手塚治虫/古川益三の貸本漫画蒐集/万国共通のマニア表象/川勝徳重はなぜ漫画家になってしまったか/「ガロ」との出会い/東真一郎(水木しげる)『地獄の水』の衝撃/始まりにリバイバルがあった/『現代マンガ選集 恐怖と奇想』(ちくま文庫)/中条省平先生の最終講義/「遅れてきた青年」たち/分水嶺としての59年/知られざる貸本漫画作家たちのリバイバル/描き継がれた「墓場鬼太郎」/「墓場鬼太郎」の起源/貸本漫画のシミュラークルとコンパイル/絵物語の面白さ/非・手塚としての水木しげるとその周辺の再評価/つげ義春に賭けた高野慎三/「史観」の形成とリバイバルの力学/『昭和ノスタルジー解体』(晶文社)/「キッチュ」のパースペクティブ/文化に脈々と引き継がれる大正ロマンティシズム/表層の操作で深層にアクセスする丸尾末広//「無抵抗都市」と戦後日本が抱えるトラウマ/大傑作『笑う吸血鬼』/『チェンソーマン』の問題意識/ある結節点・1973年/過去に惹かれることが異様に映る現状/「マンガ」と一口で言うけれど/描き下ろし単行本の消滅/作家たちの変容/山下達郎の自己矛盾/つげ義春の抜群のギャグセンス/リアリティレベルの操作によるインパクト/評論の強みは価値判断ができること/価値判断とリバイバル/好き嫌いを超えた言葉の積み重ね/「俺はこれだ」と決めたものについて書く/デービッド・マークス『STATUS AND CULTURE』(筑摩書房)/実存を賭けられるものと出会えること/高野慎三とアンドレ・バザン/「これが好きだから」は誰にでも通じる/迷ったら母ちゃんの言うことを聞く/雑食(オムニボア)的嗜好の風景/次回テーマ「好きな評論家」
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