
評論家/音楽ディレクターの柴崎祐二と漫画家の川勝徳重が、最新流行現象から遠く離れ、音楽、漫画、映画等いにしえのカルチャーについてあれこれお喋りする「あなくろ」ポッドキャスト。反時代こそが前衛となるこの奇妙な時代に贈る、刺激的(教養?)エンタテインメント。
第一回目は、定期的にネット上で話題となる「はっぴいえんど史観」に関する議論を足がかりに、翻って、ではなぜいちロックバンドである彼らが、それほどまでに長く/繰り返し語られてき(てしまっ)たのかについて、様々な角度からトーク。
「またはっぴいえんど?もういいよ……」そんな貴方にこそ捧げたい、前後編2時間の濃密おしゃべり。オルタナティブな史観の可能性は、まずは「パラダイム」を知ることから立ち上がる!
【目次】
自己紹介/自分が生まれる前のものが好き/「ゼーロンの背中」の由来/最新のものから離れて歴史を見る/いくつかの原体験/通っていた中古レコード屋/作品の元ネタを隠さない/語り尽くされたはっぴいえんどを今語る理由/はっぴいえんどを知ったころ/「ガロ」の影響力/不可視化されたアングラ性/はっぴいえんどの楽曲の分からなさ/1968年との向き合い方/先輩問題/先達に対する劣等感からのスタート/カウンター的なものとジャンルが生まれる瞬間の混沌/漂白された「わけのわからなさ」/はっぴいえんどの歌唱法が当時いかに変だったかを想像する/松本隆の参照項/自然主義的なものからの逸脱/『風景』(山平和彦)の場合/細野晴臣の内なるアメリカ/はっぴいえんどの政治性/問題提起の射程の長さ/「はっぴいえんど史観」が糊塗する格差構造/欠落した地方サブカルチャー史
/時代の結節点に立つバンド
(後篇に続く)