
第一回目は、定期的にネット上で話題となる「はっぴいえんど史観」に関する議論を足がかりに、翻って、ではなぜいちロックバンドである彼らが、それほどまでに長く/繰り返し語られてき(てしまっ)たのかについて、様々な角度からトーク。「またはっぴいえんど?もういいよ……」そんな貴方こそ捧げたい、前後編2時間の濃密おしゃべり。オルタナティブな史観の可能性は、まずは「パラダイム」を知ることから立ち上がる!
【目次】
物語化される「論争」/歴史を見るときの三点法/コスモポリタニズムとグローカリズムの相克としての日本語ロック論争/内田裕也のジレンマ/海外の表現との緊張関係/参照元を明記する姿勢/旧制高校的教養主義の崩壊とポップな教養のあり方/多品目主義=ポストモダン的消費を背景とするスタイル/「これはメッセージじゃない」というメッセージ
/言葉の起爆剤としての風街/現代的ノスタルジアの系譜/「東京を回顧する」という伝統的形式/日本回帰の一例としてのアンノン族/ロックという眼鏡を通して日本を見る/大瀧詠一の分母分子論/自分への影響に自覚的な創作姿勢/人気がない系譜学/音楽評論における表現技術論/スタジオミュージシャンとは/古賀政男と服部良一/大瀧詠一自身の言説によって用意されたパラダイム/主流史観の相対化の実践『現代マンガ選集』(ちくま文庫)/史観の形成とメディアの関係/町屋良平さんの批評プロジェクト/オルタナティブな歴史を立ち上げやすい時代/次回テーマ「リバイバル」