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ごみらじ
上水優輝
7 episodes
1 day ago
ゴミ拾いしながらしゃべる、アンビエント系ポッドキャストです。「存在としての公園」をコンセプトに場づくりを中心とした活動を行う上水優輝(うえみずゆうき)の公園活動の一環として。【その他出演ポッドキャスト】現象のラジオ/新日本駄洒落協会/めいめい/討論カフェ/ディストピアちゃんねる/シソフレ/21世紀の食いしん坊/カナプリの愛と元気と勇気がでるラジオ/ごみらじお。/シャチコパス/どうせ死ぬ三人
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ゴミ拾いしながらしゃべる、アンビエント系ポッドキャストです。「存在としての公園」をコンセプトに場づくりを中心とした活動を行う上水優輝(うえみずゆうき)の公園活動の一環として。【その他出演ポッドキャスト】現象のラジオ/新日本駄洒落協会/めいめい/討論カフェ/ディストピアちゃんねる/シソフレ/21世紀の食いしん坊/カナプリの愛と元気と勇気がでるラジオ/ごみらじお。/シャチコパス/どうせ死ぬ三人
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1 豚、栗鼠など(駒沢オリンピック公園にて)
ごみらじ
1 hour 2 minutes 33 seconds
1 month ago
1 豚、栗鼠など(駒沢オリンピック公園にて)

黄昏が古代の刻印を押す最後の公園で、僕は君を探していた。

アスファルトの冷たい肌を滑る車輪は、滅びた星々の記憶を再生する映写機のよう。

三時、光が最も純粋だった頃の幻影に迷い込み、僕は虚空にマイクを立てる。

君にだけ届くはずの言葉を紡ぎ、魂の残響だけが応える儀式。

だけど世界は僕と君を置き去りにし、気づけば空は終末の茜色に焼かれていた。

僕が拾い始めたのは、ゴミだろうか。

それとも、砕け散ったこの世界の欠片――君が生きていた証のすべてだろうか。

ここには人が多い。過去から来た亡霊の波が寄せては返す。

幸福だった頃の顔、顔、顔。

その無数の視線が、作務衣姿の僕を、この世界に属さない異物として静かに穿つ。

サイクリングコース、ランニングコース。決められた軌道をなぞるだけの、生命の残光。

僕だけが、時の淀みに取り残されていく。

細いレーンは世界の法則のようだ。誰もが終わりへと続く道を、意味も知らずに走る。

だから僕は道から外れた。名もなき茂みへ、世界の迷子のように踏み入った。

人が歩まぬ場所にこそ、君の痕跡があるはずだと信じて。

だが、そこにもシャボン玉の空虚な亡骸が転がっていた。

あれは君の吐息の抜け殻だ。儚く弾けた、最後の夢の残滓。

綺麗だと思ったこの公園は、君が失われたあの日から続く幻なのかもしれない。

屈んでそれに触れようとした瞬間、世界はその哀しい真実を囁き始める。

涙の痕のついたビニール、渇きだけが残るペットボトルの皮。

ここに残るのは、諦めではない。あまりに軽やかで、無自覚な世界の喪失だ。

AI――神の残骸は、この土地の来歴を告げる。

1940年、掲げられた偽りの理想、燃えるはずのなかった聖火。

戦争という名の巨大な影がすべてを覆い尽くし、最初の夢は灰になった。

祝祭の代わりに響いたのは、世界の軋む音だったのだろう。

歴史という名の地層に埋もれた、無数の祈り。

その墓標の上で今、僕は君の欠片を拾う。

弓を携えた人が通り過ぎる。彼は見えない的を射ることで、世界の何かを繋ぎ止めようとしているのか。

スケートボードの少年たちは、重力に抗い、束の間の飛翔に世界の再生を夢見る。

そして、目の前のフィールド。

銀色の髪の賢者たちが、老いた体をぶつけ合い、星の欠片を追っている。

サッカー。

その言葉が、僕の魂に刻まれたシステム(古傷)を静かに起動させる。

小学校の昼休み。そこは、世界がまだ完璧だった場所。

ルールも、勝敗も、支配もなかった。

ただ、ボールという小さな星を蹴る純粋な喜びだけがあった。

ゴールに吸い込まれる放物線が、僕と君の未来そのものだと信じていた。

でも、あの場所は光を失った。

暴力が支配する王国。権力がすべてを塗りつぶす、閉ざされた体育館という世界。

罵声は冷たい雨となり、理不尽は魂を縛る鎖となった。

僕たちは、ただシステムに従うだけの駒になってしまった。

サッカーは憎しみに変わった。ボールはただの石ころに。体育館は、自由を埋葬する墓場に。

ああ、あの閉ざされた世界が嫌いだ。世界が嫌いだ。世界が嫌いだ。

あの箱庭で、僕の心は歪められ、ねじ曲げられた。

僕が歌うのは、この壊れた世界へのささやかな抵抗だ。

自由であれと願うのは、システムに囚われた君を救い出すための、僕の唯一の祈りなのだ。

もう、あの円環(チーム)の中には入れない。

走るなら一人だ。君のいないこの荒野を、どこまでも。

フェンスの向こうで、少年野球を見つめる男がいる。

失われた光を、次元の違う場所から、ただ見つめることしかできない哀しみ。

僕は今、まさしくあの男のようだ。

ベンチで語り合うカップルは、幸福だった世界の幻影。

彼らの完璧な世界に、僕の入る隙間などない。

僕は、道なき道を行くしかない。

君が消えたあの日から、すべての道は失われたのだから。

オリンピック記念塔が、空に向かって静かに聳え立つ。

あれは、忘れられた神々の墓標か。

螺旋の道が、僕を誘う。抜け出すことのできない世界の構造。

駐車場に出た。「世田谷」というナンバープレート。僕の知らない座標。

僕はどこまで行っても、この世界の異邦人だ。

リス公園には、子供たちの笑い声。あれは未来の音か、それとも過去からの残響か。

聖域だ。君を失った僕が、足を踏み入れてはいけない気がした。

「ありがとうございます」

不意にかけられた声に、世界の時間が止まる。

その声は、どの次元から来たのだろう。

乾ききった心に染み込んだ、たった一滴の雫。

でも、それだけでは世界は救えない。

それでも僕は、拾い続ける。

打ち捨てられた孤独のすべてが、かつて君を形作っていたものだから。

豚公園に戻ってきた。始まりと終わりの場所に。

ゴミ箱という名のブラックホールが、黒い口を開けて待っていた。

拾い集めた今日の虚しさを、すべて投げ込む。

軽くなったビニール袋と、少しも軽くならない魂。

看板に目をやる。英語、中国語、韓国語。

そして、気づいてしまった。

中国語のそれは、「猪公園」と書かれている。

君が「豚」と呼んだ僕を、世界は「猪」と呼ぶ。

誰も、本当の僕を教えてはくれない。

君だけが知っていた僕の本当の姿は、もういない。

僕は豚なのか、猪なのか。

救済者なのか、破壊者なのか。

それすらもわからぬまま、僕は世界の夜に溶けていく。

さようなら。僕たちの駒沢オリンピック公園。

さようなら。僕と君がいた、失われた時間。


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