今年は漱石生誕151年になる。2009年ごろに録音してバラバラにアップしたものを、上・中・下にまとめて公開する。
上01「私はそのひとを常に先生と呼んでいた。」
「こころ」上01上02「私がその掛茶屋で先生を見たときは、先生がちょうど着物を脱いで……
「こころ」上02上03「私は次の日も同じ時刻に浜へ行って……
「こころ」上03上04「私は月の末に東京へ帰った。……
「こころ」上04上05「私は墓地の手前にある苗畠の左側からはいって……
「こころ」上05上06「私はそれから時々先生を訪問するようになった。……
「こころ」上06上07「私は不思議に思った。しかし私は先生を研究する気で……
ns-kokoro07.mp3上08「幸いにして先生の予言は実現されずに踏んだ。……
「こころ」上08上09「私の知る限り先生と奥さんとは、仲のいい夫婦の一対であった。……
「こころ」上09上10「二人が帰るとき歩きながらの沈黙が一丁も二丁も……
「こころ」上10上11「その時の私はすでに大学生であった。……
「こころ」上11上12「奥さんは東京の人であった。それはかつて先生からも奥さん自身からも……
「こころ」上12上13「我々は群衆の中にいた。群集はいずれも……
「こころ」上13上14「年の若い私はややともすると一途になりやすかった。……
「こころ」上14上15「その後、私は奥さんの顔を見るたびに気になった。……
「こころ」上15上16「私の行ったのはまだ灯の点くか点かないかの暮れ方であったが、……
「こころ」上16上17「私はまだその後にいうべき事を持っていた。……
「こころ」上17上18「私を奥さんの理解力に感心した。奥さんの態度が……
「こころ」上18上19「始め私は理解のある女性として奥さんに対していた。……
「こころ」上19上20「私は私のつらまえた事実の許す限り、奥さんを慰めようとした。……
「こころ」上20上21「冬が来た時、私は偶然国へ帰らなければならない事になった。……
「こころ」上21上22「父の病気は思ったほど悪くはなかった。……
「こころ」上22上23「私は退屈な父の相手としてよく将棋盤に向かった。……
「こころ」上23上24「東京へ帰ってみると、松飾はいつか取り払われていた。……
「こころ」上24上25「その年の六月に卒業するはずの私は、ぜひともこの論文を……
「こころ」上25上26「私の自由になったのは、八重桜のちった枝にいつしか青い葉が……
「こころ」上26上27「私はすぐその帽子を取りあげた。……
「こころ」上27上28「「君の家に財産があるなら、
今のうちに……
「こころ」上28上29「先生の談話は偏この犬と子供のために、結末まで進行する事が……
「こころ」上29上30「その時の私は腹の中で先生を憎らしく思った。……
「こころ」上30上31「その日の談話もついにこれぎりで発展せずにしまった。……
「こころ」上31上32「私の論文は自分が評価していたほどに、教授の眼には……
「こころ」上32上33
「こころ」上33上34「私はその夜十時過ぎに先生の家を辞した。……
「こころ」上34上35「私は立てかけた腰をまたおろして、話の区切りの着くまで…
「こころ」上35上36「私はその翌日も暑さを冒して、頼まれ物を買い集めて歩いた。……
「こころ」上36