
備前市西片上、旧山陽道沿いの風情のある街に工場と事務所を構える大西商店印刷部。社名の通り印刷業の会社だが、歴史は古く1920年から数えて105年目を迎えている老舗企業だ。インクの匂いがする現場には、最新のオフセット4色カラー印刷機など8台の印刷機が並ぶが、なかでも目を引くのはドイツ・ハイデルベルグ社の活版印刷機。1940年代に製作され、ばりばりの現役の印刷機、重厚感あふれる黒光りのするその存在は、他の機械の守護神のようにも見える。大西代表は、そんな活版印刷も大切に生かしながら、デザイナー集団「COCHAE」とコラボして、2024年に新しいブランド「備前凸版工作所」を立ち上げた。ブランド名であり、実際に体験やギャラリー、活版印刷の紙製品を販売する店の屋号でもある。全国から紙のファンが訪れ盛況のショップとなっている。街の印刷屋さんの新しい形を探りながら、4代目大西代表にトップインタビューです。