
一寸先は闇──。コロナ禍で2020年の経済は危機だと思っていると、21年はインフレ(物価上昇)に転じた。各国でのインフレは前月比の伸び率ではすでに21年初から始まっていたが、欧米の中央銀行は20年春の反動で物価指数の前年比が一時的に上昇していると見誤った。(論争で学ぶ景気・物価・ドル円 ≪特集はこちら)
米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和の縮小を決めたのは、21年11月まで遅れる。利上げ開始は22年3月。その後の利上げは、近年には類をみないほどに急激だった。まるで遅れを取り戻すような勢いだ。