
今回のエピソードでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックが研修医の「燃え尽き症候群」(バーンアウト)に与えた影響を分析した大規模なメタ分析を取り上げます。パンデミックは医療現場に甚大なストレスをもたらしましたが、果たして全ての専門科で一律にバーンアウトが悪化したのでしょうか?
本研究は、48,698人の卒後研修医を対象としたシステマティックレビューとメタ分析により、COVID-19パンデミック前後の燃え尽き症候群(バーンアウト)のレベルを比較したものです。
結果として、情緒的消耗(EE)は安定していた一方、非人間化(DP)のレベルはパンデミック中に低下し、個人的達成感(PA)は有意に低下していました。特に、救急医学の研修医はCOVID-19中にバーンアウトが悪化しましたが、麻酔科、精神科、泌尿器科の研修医は、よりバーンアウトを感じにくい傾向が見られました。
この結果は、最前線に立つ研修医へのウェルビーイング支援の優先と、「能力と熟練の感覚」を高める介入の重要性を示しています。
Prentice S, Dorstyn DS, Massy-Westropp N, Benson J, Elliott T. Burnout before and during COVID: A systematic review and meta-analysis of 48 698 trainees. Med Educ. 2025;59(11):1156–1171.
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