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林芙美子 新版放浪記 第一部
えぷろん
10 episodes
8 months ago
『私は宿命的に放浪者である。私は古里を持たない…』で始まる新版放浪記、大正・昭和初期にかけての林 芙美子はどのように生きてきたのでしょうか。ご一緒にお楽しみいただければ幸いです。なお、文中には今日では不適切と思われる表現が含まれておりますが、そのまま読ませていただいておりますことをご了承くださいませ。  えぷろん
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『私は宿命的に放浪者である。私は古里を持たない…』で始まる新版放浪記、大正・昭和初期にかけての林 芙美子はどのように生きてきたのでしょうか。ご一緒にお楽しみいただければ幸いです。なお、文中には今日では不適切と思われる表現が含まれておりますが、そのまま読ませていただいておりますことをご了承くださいませ。  えぷろん
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林 芙美子 放浪記第一部 その4
林芙美子 新版放浪記 第一部
13 years ago
林 芙美子 放浪記第一部 その4
参照テキスト:青空文庫図書カード№1813 音声再生時間:30分00秒 shinpan-hourouki1-7~8a.mp3 (四月×日)  街の四ツ角で、まるで他人よりも冷やかに、私も男も別れてしまった。男は市民座と云う小さい素人劇団をつくっていて、滝ノ川の稽古場に毎日通っているのだ。  私も今日から通いでお勤めだ。男に食わしてもらう事は、泥を噛んでいるよりも辛いことです。体(てい)のいい仕事よりもと、私のさがした職業は牛屋の女中さん。「ロースあおり一丁願いますッ。」梯子(はしご)段をトントンと上って行くと、しみじみと美しい歌がうたいたくなってくる。広間に群れたどの顔も面白いフイルムのようだ。肉皿を持って、梯子段を上ったり降りたりして、私の前帯の中も、それに並行して少しずつお金でふくらんで来る。どこを貧乏風が吹くかと、部屋の中は甘味(おい)しそうな肉の煮える匂いでいっぱいだ。だけど、上ったり降りたりで、私はいっぺんにへこたれてしまった。「二三日すると、すぐ馴れてしまうわ。」女中頭の髷(まげ)に結ったお杉さんが、物かげで腰を叩いている私を見て慰めてくれたりした。  十二時になっても、この店は素晴らしい繁昌ぶりで、私は家へ帰るのに気が気ではなかった。私とお満さんをのぞいては、皆住み込みのひとなので、平気で残っていて客にたかっては色々なものをねだっている。 「たあさん、私水菓子ね……」 「あら私かもなんよ……」  まるで野生の集りだ、笑っては食い、笑っては食い、無限に時間がつぶれて行きそうで私は焦らずにはいられなかった。私がやっと店を出た時は、もう一時近くで、店の時計がおくれていたのか、市電はとっくになかった。神田から田端(たばた)までの路(みち)のりを思うと、私はがっかりして坐ってしまいたい程悲しかった。街の燈はまるで狐火のように一つ一つ消えてゆく。仕方なく歩き出した私の目にも段々心細くうつって来る。上野公園下まで来ると、どうにも動けない程、山下が恐ろしくて、私は棒立ちになってしまった。雨気を含んだ風が吹いていて、日本髪の両鬢(りょうびん)を鳥のように羽ばたかして、私は明滅する仁丹の広告燈にみいっていた。どんな人でもいいから、道連れになってくれる人はないかと私はぼんやり広小路の方を見ていた。  こんなにも辛い思いをして、私はあのひとに真実をつくさなければならないのだろうか? 不意にハッピを着て自転車に乗った人が、さっと煙のように目の前を過ぎて行った。何もかも投げ出したいような気持ちで走って行きながら、「貴方は八重垣町の方へいらっしゃるんじゃあないですかッ!」と私は大きい声でたずねてみた。 「ええそうです。」 「すみませんが田端まで帰るんですけれど、貴方のお出でになるところまで道連れになって戴(いただ)けませんでしょうか?」  今は一生懸命である。私は尾を振る犬のように走って行くと、その職人体の男にすがってみた。 「私も使いがおそくなったんですが、もしよかったら自転車にお乗んなさい。」  もう何でもいい私はポックリの下駄を片手に、裾をはし折ってその人の自転車の後に乗せてもらった。しっかりとハッピのひとの肩に手を掛けて、この奇妙な深夜の自転車乗りの女は、不図(ふと)自分がおかしくなって涙をこぼしている。無事に帰れますようにと私は何かに祈らずにはいられなかった。  夜目にも白く染物とかいてあるハッピの字を眺めて、吻と安心すると、私はもう元気になって、自然に笑い出したくなっている。根津の町でその職人さんに別れると、又私は飄々(ひょうひょう)と歌を唱(うた)いながら路を急いだ。品物のように冷たい男のそばへ……。 (四月×日)  国から汐(しお)の香の高い蒲団を送って来た。お陽様に照らされている縁側の上に、送って来た蒲団を干していると、何故(なぜ)だか父様よ母様よと口に出して唱いたくなってくる。  今晩は市民座の公演会だ。男は早くから化粧箱と着物を持って出かけてしまった。私は長いこと水を貰わない植木鉢のように、干からびた熱情で二階の窓から男のいそいそとした後姿を眺めていた。夕方四谷(よつや)の三輪会館に行ってみると場内はもういっぱいの人で、舞台は例の「剃刀」である。男の弟は目ざとく私を見つけると目をまばたきさせて、姉さんはなぜ楽屋に行かないのかとたずねてくれる。人のいい大工をしているこの弟の方は、兄とは全く別な世界に生きているいい人だった。  舞台は乱暴な夫婦喧嘩(げんか)の処だった。おおあの女だ。いかにも得意らしくしゃべっているあのひとの相手女優を見ていると、私は初めて女らしい嫉妬(しっと)を感じずにはいられなかった。男はいつも私と着て寝る寝巻を着ていた。今朝二寸程背中がほころびていたけれど私はわざとなおしてはやらなかったのだ。一人よがりの男なんてまっぴらだと思う。  私はくしゃみを何度も何度もつづけると、ぷいと帰りたくなってきて、詩人の友達二三人と、暖かい戸外へ出ていった。こんなにいい夜は、裸になって、ランニングでもしたらさぞ愉快だろうと思うなり。 (四月×日) 「僕が電報を打ったら、じき帰っておいで。」と云ってくれるけれど、このひとはまだ嘘を云ってるようだ。私はくやしいけれど十五円の金をもらうと、なつかしい停車場へ急いだ。  汐の香のしみた私の古里へ私は帰ってゆくのだ。ああ何もかも逝(い)ってしまってくれ、私には何にも用はない。男と私は精養軒の白い食卓につくと、日本料理でささやかな別宴を張った。 「私は当分あっちで遊ぶつもりよ。」 「僕はこうして別れたって、きっと君が恋しくなるのはわかっているんだ。只どうにも仕様のない気持ちなんだよ今は、ほんとうにどうせき止めていいかわからない程、呆然とした気持ちなんだよ。」  汽車に乗ったら私は煙草でも吸ってみようかと思った。駅の売店で、青いバット五ツ六ツも買い込むと私は汽車の窓から、ほんとうに冷たい握手をした。 「さようなら、体を大事にしてね。」 「有難う……御機嫌よう……」  固く目をとじて、パッと瞼(まぶた)を開けてみると、せき止められていた涙が一時にあふれている。明石(あかし)行きの三等車の隅ッこに、荷物も何もない私は、足を伸び伸びと投げ出して涙の出るにまかせていた。途中で面白そうな土地があったら降りてみようかしらとも思っている。私は頭の上にぶらさがった鉄道地図を、じっと見上げて駅の名を一つ一つ読んでいた。新らしい土地へ降りてみたいなと思うなり。静岡にしようか、名古屋にしようか、だけど何だかそれも不安で仕方がない。暗い窓に凭(もた)れて、走っている人家の灯を見ていると、暗い窓にふっと私の顔が鏡を見ているようにはっきり写っている。 男とも別れだ! 私の胸で子供達が赤い旗を振っている そんなによろこんでくれるか もう私はどこへも行かず 皆と旗を振って暮らそう。 皆そうして飛び出しておくれ、 そして石を積んでくれ そして私を胴上げして 石の城の上に乗せておくれ。 さあ男とも別れだ泣かないぞ! しっかりしっかり旗を振ってくれ 貧乏な女王様のお帰りだ。  外は真暗闇だ。切れては走る窓の風景に、私は目も鼻も口も硝子(ガラス)窓に押しつけて、塩辛い干物のように張りついて泣いていた。  私は、これからいったい何処(どこ)へ行こうとしているのかしら……駅々の物売りの声を聞くたびに、おびえた心で私は目を開けている。ああ生きる事がこんなにむずかしいものならば、いっそ乞食にでもなって、いろんな土地土地を流浪して歩いたら面白いだろうと思う。子供らしい空想にひたっては泣いたり笑ったり、おどけたり、ふと窓を見ると、これは又奇妙な私の百面相だ。ああこんなに面白い生き方もあったのかと、私は固いクッションの上に坐りなおすと、飽きる事もなく、なつかしくいじらしい自分の百面相に凝視(みい)ってしまった。         * (五月×日) 私はお釈迦様に恋をしました 仄(ほの)かに冷たい唇に接吻すれば おおもったいない程の 痺(しび)れ心になりまする。 もったいなさに なだらかな血潮が 逆流しまする。 心憎いまでに落ちつきはらった その男振りに すっかり私の魂はつられてしまいました。 お釈迦様! あんまりつれないではござりませぬか 蜂(はち)の巣のようにこわれた 私の心臓の中に お釈迦様 ナムアミダブツの無常を悟すのが 能でもありますまいに その男振りで 炎のような私の胸に 飛びこんで下さりませ 俗世に汚れた この女の首を 死ぬ程抱きしめて下さりませ ナムアミダブツのお釈迦様!  妙に侘しい日だ。気の狂いそうな日だ。天気のせいかも知れない。朝から、降りどおしだった雨が、夜になると風をまじえて、身も心も、突きさしそうに実によく降っている。こんな詩を書いて、壁に張りつけてみたものの私の心はすこしも愉しくはない。  ――スグコイカネイルカ  蒼(あお)ぶくれのした電報用紙が、ヒラヒラと私の頭に浮かんで来るのは妙だ。  馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿を千も万も叫びたいほど、いまは切ない私である。高松の宿屋で、あのひとの電報を本当に受取った私は、嬉し涙を流していた。そうして、はち切れそうな土産物を抱いて、いま、この田端の家へ帰って来たはずだのに――。半月もたたないうちに又別居だとはどうした事なのだろう。私は男に二カ月分の間代を払ってもらうと、体(てい)のいい居残りのままだったし、男は金魚のように尾をヒラヒラさせて、本郷の下宿に越して行ってしまった。昨日も出来上った洗濯物を一ぱい抱えて、私はまるで恋人に会いにでも行くようにいそいそと男の下宿の広い梯子段を上って行ったのだ。ああ私はその時から、飛行船が欲しくなりました。灯のつき始めたすがすがしい部屋に、私の胸に泣きすがったあのひとが、桃割れに結ったあの女優とたった二人で、魚の様にもつれあっているのを見たのです。暗い廊下に出て、私は眼にいっぱい涙をためていました。顔いっぱいが、いいえ体いっぱいが、針金でつくった人形みたいに固くなってしまって、切なかったけれども……。 「やあ……」私は子供のように天真に哄笑(こうしょう)して、切ない眼を、始終机の足の方に向けていた。あれから今日へ掛けての私は、もう無茶苦茶な世界へのかけ足だ。「十五銭で接吻しておくれよ!」と、酒場で駄々をこねたのも胸に残っている。  男と云う男はみんなくだらないじゃあないの! 蹴散(けち)らして、踏みたくってやりたい怒りに燃えて、ウイスキーも日本酒もちゃんぽんに呑み散らした私の情けない姿が、こうしていまは静かに雨の音を聞きながら床の中にじっとしている。今頃は、風でいっぱいふくらんだ蚊帳の中で、あのひとは女優の首を抱えていることだろう……そんな事を思うと、私は飛行船にでも乗って、バクレツダンでも投げてやりたい気持ちなのです。  私は宿酔(ふつかよ)いと空腹で、ヒョロヒョロしている体を立たせて、ありったけの米を土釜に入れて井戸端に出て行った。階下の人達は皆風呂に出ていたので私はきがねもなく、大きい音をたてて米をサクサク洗ってみたのです。雨に濡れながら、只一筋にはけて行く白い水の手ざわりを一人で楽しんでいる。 (六月×日)  朝。  ほがらかな、よいお天気なり。雨戸を繰ると白い蝶々が雪のように群れていて、男性的な季節の匂いが私を驚かす。雲があんなに、白や青い色をして流れている。ほんとにいい仕事をしなくちゃいけないと思う。火鉢にいっぱい散らかっていた煙草の吸殻を捨てると、屋根裏の女の一人住いも仲々いいものだと思った。朦朧(もうろう)とした気持ちも、この朝の青々とした新鮮な空気を吸うと、ほんとうに元気になって来る。だけど楽しみの郵便が、質屋の流れを知らせて来たのにはうんざりしてしまった。四円四十銭の利子なんか抹殺(まっさつ)してしまえだ。私は縞の着物に黄いろい帯を締めると、日傘を廻して幸福な娘のような姿で街へ出てみた。例の通り古本屋への日参だ。 「小父さん、今日は少し高く買って頂戴ね。少し遠くまで行くんだから……」この動坂の古本屋の爺さんは、いつものように人のいい笑顔を皺(しわ)の中に隠して、私の出した本を、そっと両の手でかかえて見ている。 「一番今流行(はや)る本なの、じき売れてよ。」 「へえ……スチルネルの自我経ですか、一円で戴きましょう。」  私は二枚の五十銭銀貨を手のひらに載せると、両方の袂(たもと)に一ツずつそれを入れて、まぶしい外に出た。そしていつものように飯屋へ行った。  本当にいつになったら、世間のひとのように、こぢんまりした食卓をかこんで、呑気(のんき)に御飯が食べられる身分になるのかしらと思う。一ツ二ツの童話位では満足に食ってはゆけないし、と云ってカフエーなんかで働く事は、よれよれに荒(すさ)んで来るようだし、男に食わせてもらう事は切ないし、やっぱり本を売っては、瞬間瞬間(そのときどき)の私でしかないのであろう。夕方風呂から帰って爪をきっていたら、画学生の吉田さんが一人で遊びにやって来た。写生に行ったんだと云って、十号の風景画をさげて、絵の具の匂いをぷんぷんただよわせている。詩人の相川さんの紹介で知ったきりで、別に好きでも嫌いでもなかったけれど、一度、二度、三度と来るのが重なると、一寸(ちょっと)重荷のような気がしないでもない。紫色のシェードの下に、疲れたと云って寝ころんでいた吉田さんは、ころりと起きあがると、 瞼、瞼、薄ら瞑(つぶ)った瞼を突いて、 きゅっと抉(えぐ)って両眼をあける。 長崎の、長崎の 人形つくりはおそろしや! 「こんな唄を知っでいますか、白秋の詩ですよ。貴女を見ると、この詩を思い出すんです。」  風鈴が、そっと私の心をなぶっていた。涼しい縁端に足を投げ出していた私は、灯のそばにいざりよって男の胸に顔を寄せた。悲しいような動悸(どうき)を聞いた。悩ましい胸の哀れなひびきの中に、しばし私はうっとりしていた。切ない悲しさだ。女の業(ごう)なのだと思う。私の動脈はこんなひとにも噴水の様なしぶきをあげて来る。吉田さんは慄えて沈黙っていた。私は油絵具の中にひそむ、油の匂いをこの時程悲しく思った事はなかった。長い事、私達は情熱の克服に努めていた。やがて、背の高い吉田さんの影が門から消えて行くと、私は蚊帳を胸に抱いたまま泣き出していた。ああ私には別れた男の思い出の方が生々しかったもの……私は別れた男の名を呼ぶと、まるで手におえない我まま娘のようにワッと声を上げて泣いているのだ。 (六月×日)  今日は隣の八畳の部屋に別れた男の友達の、五十里(いそり)さんが越して来る日だ。私は何故か、あの男の魂胆がありそうな気がして不安だった。――飯屋へ行く路、お地蔵様へ線香を買って上げる。帰って髪を洗い、さっぱりした気持ちで団子坂の静栄さんの下宿へ行ってみた。「二人」と云う私達の詩のパンフレットが出ている筈だったので元気で坂をかけ上った。窓の青いカーテンをめくって、いつものように窓へ凭(もた)れて静栄さんと話をした。この人はいつ見ても若い。房々した断髪をかしげて、しめっぽい瞳(ひとみ)を輝かしている。夕方、静栄さんと印刷屋へパンフレットを取りに行った。たった八頁だけれど、まるで果物のように新鮮で好ましかった。帰りに南天堂によって、皆に一部ずつ送る。働いてこのパンフレットを長くつづかせたいものだと思う。冷たいコーヒーを飲んでいる肩を叩いて、辻(つじ)さんが鉢巻をゆるめながら、讃辞(さんじ)をあびせてくれた。「とてもいいものを出しましたね。お続けなさいよ。」飄々たる辻潤の酔態に微笑を送り、私も静栄さんも幸福な気持ちで外へ出た。 (六月×日)  種まく人たちが、今度文芸戦線と云う雑誌を出すからと云うので、私はセルロイド玩具(がんぐ)の色塗りに通っていた小さな工場の事を詩にして、「工女の唄える」と云うのを出しておいた。今日は都新聞に別れた男への私の詩が載っている。もうこんな詩なんか止(や)めましょう。くだらない。もっと勉強して立派な詩を書こうと思う。夕方から銀座の松月と云うカフエーへ行った。ドンの詩の展覧会がここであるからだ。私の下手な字が麗々しく先頭をかざっている。橋爪氏に会う。
林芙美子 新版放浪記 第一部
『私は宿命的に放浪者である。私は古里を持たない…』で始まる新版放浪記、大正・昭和初期にかけての林 芙美子はどのように生きてきたのでしょうか。ご一緒にお楽しみいただければ幸いです。なお、文中には今日では不適切と思われる表現が含まれておりますが、そのまま読ませていただいておりますことをご了承くださいませ。  えぷろん