
「あと90日で年末」に間に合う3ステップ配信計画
この計画は、既存顧客からの利益を最大限に引き出し、同時に将来の安定的な売上基盤を確保することに焦点を当てます。
ステップ1:顧客資産の棚卸しと短期目標の設定
まず、限られた期間で最大の効果を上げるために、現在の顧客資産を分析し、行動計画を絞り込みます。
1. 顧客カテゴリの徹底的な分類と分析 顧客を「見込み客」「新規客」「リピート客」「優良客」「離脱客」の4~5つのカテゴリに分類し(ビジネスに応じてその他の分け方も可能)、それぞれの属性に基づき、いつ、どのような施策を打つべきかを明確にします。特に、売上の80%近くを支える上位20%の**優良客(VIP客)**を特定し、この層を最重要ターゲットとします。
2. 顧客獲得コストと生涯価値の把握 顧客獲得にかかるコスト(広告費、人件費などすべてを含む)を把握し、平均的な顧客の生涯価値(LTV)を算出します。短期的な目標として、「顧客獲得後の1~2ヶ月で利益の最大化」を図る戦略を最優先します。これにより、新規顧客獲得へのコスト投入判断が容易になり、ビジネスの拡大をスピーディに行えるようになります。
3. 年間販促計画とセールスチャンスの洗い出し 年末までのイベントや季節的な情報を整理したイベントカレンダーを作成し、セールスの「理由」付けに活用します。また、顧客との接点(購入、納品、請求書送付、アフターフォローなど)をすべて洗い出し、すべての接点を追加セールスのチャンスとして活用する準備をします。
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ステップ2:即時的な客単価・利益アップ施策の実行
既存の顧客接点や顧客リストを活用し、90日間の売上を最大化する施策を優先的に実行します。
1. VIP客への特別施策と高単価商品の提案 優良客(VIP客)限定のキャンペーンや高単価商品の案内を、一般客とは異なる条件で行います。また、既存の商品ラインナップの上に、より高額な「上位商品」や、松竹梅の「松」となるプランを用意することで、客単価を引き上げます。この際、「竹(中間価格帯)」が最も多く選ばれるゴルディロックス効果を狙います。
2. 顧客接点でのアップセル/クロスセルを徹底 顧客が「財布を開くとき」である購入のタイミングや、納品のタイミング、請求のタイミングなど、すべての接点で追加販売の提案(アップセル/クロスセル)を自動化またはルーティン化します。特に消耗品ビジネスでは、お客さんが商品を使い切る直前のタイミングを予測して買い足しを促すリマインドを行います。
3. 広告とセールスメッセージの改善 広告やセールスレターの見出しやオファーは常にテストし、反応率の高いものを採用します。また、メッセージを考える際には、商品やサービス自体ではなく、「お客さんがどうなれるか」という**理想の未来(ベネフィット)を伝えることに注力します。セールスプロセスにおいて、「理性」と「感情」**を使い分けたメッセージ構成(例:ロバート・コリアーの6つの要素)を採用し、クロージング効果を高めます。
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ステップ3:不況に強い継続的な収益基盤の構築
年末の勢いを活かし、翌年(特に売上が落ち込みやすい2月など)に備えるための安定した継続的な収益源を確保します。
1. 2回目利用率・3回目定着の仕組み化 新規顧客が定着し、リピート客になるかどうかは「2回目、3回目の利用」が鍵です。顧客がリピートしない最大の理由は「なんとなく忘れてしまうこと」であるため、2回目、3回目の購入に至る理由を事前に用意し、定期的な連絡(DM、メールなど)を通じて忘れられないようにします。
2. 継続課金モデル(サブスクリプション)の導入促進 売上が落ち込む時期でも一定額の売上が確定する継続課金システム(サブスクリプション)を導入します。これにより、ビジネスの底上げを図ります。導入を促進するため、継続課金商品の初月大幅割引などのキャンペーンを、消費が落ち込む時期(年末年始や2月)に戦略的に打ち出すことも有効です。
3. リスクの肩代わりと信頼性の獲得 新規顧客の購入に対する不安(金銭的リスク、測定上のリスクなど)を取り除くために、大胆な保証(返金保証、成果保証など)を提供し、顧客のリスクを会社が肩代わりします。これにより、購入のハードルを下げ、売上アップにつなげます。